本気の恋
私は本気であなたを愛してしまったというのがいけなかったのでしょうか。
人生で人を本気で愛してしまった由の憧れに満ちた儚さ。そして喪失感という何とも言えぬ悲しみに、今夜ただ独り泣いているその佇いしか、私の人生は青の世界に取り残され1人だけに、私は人生で1人だけになってしまったのです。
私は人を愛せない性という宿命の中で、人生を懸けるような恋愛をしてしまった。本当の愛を教えて、本気の愛を一度だけ、ああ、初恋の情けを知ってしまいました。
初恋とはこんなにもなぜ哀しい一つの片想いの苦しさに一途な修道女の宿命は、はしたない己に鞭を打つのです。その美しさの魅力の全てを合わせ持ち確実に持て遊ばれて、花は宿命的に散っていかなくては、その定めにあなたを愛し忘れ去られ、人間はここまでなぜ悲しさに惑わされ、人の心よ、散りゆく全てはこのようにしていかされた私一人のそのような問題であったのか。
それとも、この世界でのあなたの問題だったのか。
そしてうっすらと生命を無くしていかなくてはなりません。あの少女はそこにそっと佇んで、一体何を考えていたのか。
それは人間としてのセオリーに反するというのか。
人は人として人を愛さなければならない哀しい血の通った存在というのか。今になってようやくわかった若気の初めて感じたぽっと身体の微かな火照った温度に、人生は解決の時を迎えるのです。
ああ、人はなぜ死ぬのでしょう。
今となってはあの時の少女の質問の意味がわかります。なぜ少女はあんな場所であの時あのような事を私に聞いたのでしょうか。
それはもうあの少女にすらもすでにわかっていなかったのだわ。
私には人が死ぬ為の意味がわかり初めました。それは人を愛する為なのです。
愛する為に人は逸脱の青い想い出に浸り死の花にふんわり身を寄せて、何気なくすっと不可思議に死んでいけるのでしょう。
人を愛してしまった。それは罪なのかと、ふと私は無に還っていってしまう。この愛には生と死とが共存していた。こんな人の温かい想いやりが、この世界に無いのなら生きている意味がありません。
はい、私は人としてこれまでやってきた愛の行為は全てが正しかったのです。
少女を愛した時に、世の中はどのような化学反応を誘発させて世界の全てはカラフルに輝やき、狩人が夢見た乙女の楽園の不可思議という、他にはない幻想の幼児体験に、ひと度死ぬ気で少女を強く狩人は仕留めた時、少女は激しく泣かなければならない意味がああ、私にはわからない。
ああ、何なのだこの少女が全くわからなくなりました。
私は少女をもう生きていないと見ているのでしょう。神と一体化する生理結合の熱き血潮に、この世は何だかわかったようでふと悲しげに顔をゆがめて、何という悲しい眼をして私を見つめる少女は、この世にそのようなお別れを言う。私は何という事を、あの少女を抱いてあげる事しかできなかった。
私はいけない女の宿命にふとこの世をやめていかないとけじめがつかないというのか。
私をあの少女はどのような想いで感覚していたというのか。
少女が私をあの時にじっと見つめた意味がわからない。あの少女は何という神の御言葉を私に語り掛けなくてはならなかったのか。
神には情けがないというのか。私の方があの少女を愛してしまい宙の中に漂よう世界の漂流物となってしまった。
乙女になれないような心をお持ちな人間なのか、それさえも浮いていき、もうどうでも良くなった少女はふっとした哀みの中に人生が静かに沈んでいく。
少女は少女としてのらしい生き方を選んだのですから、私はいつもこの世界に一人見捨てられていくのでしょう。
私をこのような人間にしたのはどこのどなたなの。ふとした片想いに、人生はこんなにも不思議になっていく季節の恥じらいの微熱に、何となくあの時の少女の私への気持ちがわかりました。
私を男として見ていなかったというのでしょう。
こんな哀しみの状態でまどろむ激情の時に、ふと私は心を失ってしまった事に気づいたのです。
少女は私をどのようにしたかったのでしょう、少女は一体私をどのようにしてみたかったのでしょう。
私は初恋という全く知らない世界に来てしまい、ふと我を忘れただけなのかしら。そんな不思議な症状に人生を愛し愛されるしか残されていないのです。
少女よ、私をどうかどうかお願いいたします。世界がその時あったとしたのなら、私を選んでください。
これから私は一体どこへ行くのか、初恋とは何て全てを感じた心で美しく清められ、全く天から何もはじめから無かったようなお告げなのです。
そうだったのです。あなたは結局私の事を愛していたのがわかったのですから、それでいいのです。私はやっとわかり初めたのです。これで私の初恋には意味があり忘れ去られるのです、これでいいのです。
本気の恋