人生体験

人生体験

人生体験で一番生きていて良かった想い出とは、一体何なのでしょうか。
少年は山の頂に向けて昇り、この世界で何をする為に生きてきたのかと自問自答していた。この生きている少年の世界の夜明けとは、一体どのような景色なのかと想像しているのです。
山の頂上に1人の淡く薄い仙人が下界を見渡し、この世界が成り立つための条件の数式を予言して、大いなる野望を感じていたのです。
世の中の野郎達が戦略を練る。人生の戦略家達が男として生まれて来て一世一代の勝負をかけていく。
本気で命懸けの真剣な男達の勇姿を傑作にした人間像が血潮し、この世界を熱き情熱に一新させて、仙人は未来の動きを広く彼方に見渡す。
ただ人間という知性を持った頭脳の働きにより、生命は生きている事の素晴しさと虚しさ、何という凄い遺伝子が結集した人生の確率、一人の人間の個性はこれからどのように変化していくのでしょうか。
私という生き物は本当に勢い良く血気盛んに意志を持ち人生讃歌を高らかに歌う。喜怒哀楽の無限の感情の中で謳歌する人間とはまさにこのような美しいもの、たかがされど人間よ、本当にこれでいいのですか。
歴史を俯瞰すると、人間とは結局何も変わっていない、進化しているのか、進化していないのか。
人間達よ、野郎達よ、こんなにも突っ走って宇宙の時空を広大に突き抜け抜けまくり、その人間の彼方の時空で軽やかなヒラメキの宙を飛び、自由な魂の漂流物がふわっと手の平から抜けていく。こんなにも人間は生命をしているのか。
人間の凄い存在となっていた私。私はこのような世の中に満足して、青い空の故郷にまたふわっと勢い良く飛んで還っていくのです。
ああ、何て苦楽を感じ尽し、全てを感じ尽した人生達に乾杯。
人生はどのような心情で私が生きてきた感想をキャンバスに美しいタッチで描き、この厳格な自分の肖像を俯瞰した時、まっすぐ一直線に突き進んで来たことを知るのです。
ああ私とはそういう性格なのです。このような私の世界でいいのです。
この世界で私は正真正銘に、この心と体で今まで生きてきたんだ。人生にはいろんな事があり、いろんな心の模様が確実に私の中に存在していたのです。
ああ、こんな人生で本当にいいのでしょうか。私とした事が神から愛されなくてどうする。
仙人が私を世界のこんな高みにまで連れて来させた事実は人間の悟りへの地平なのです。
こんなにも私って気が付けばこんな高い所まで来てしまったのです。
雲がたゆたうこの極上の何とも形容し難く安らかに昇天していく世界の創成の中で、万天の上空に輝やく、白い雲は大きくなだらかに広く彼方へゆったり流れていく。
身心がもうこの世にないのではないかしら、もう頂へとついにクライマックスがこの地平に出現して、大きな神の光がぱーっと指しのべられた時、この世から私がなくなったのです。
人生は本当にいろんな事がありましたね。全ては神から見られていたのです。ああ、何て私の人生は愛されていたのでしょうか。
たくさんの人間達と巡り合い別れて、全ての人間は本当に魅力的な生命でただ愛し愛されている。
この世界で不思議な人間の過程が過ぎていき、ついにこの人生の頂がまさに今見えてきたのです。
何という事なのでしょう。人生がやっと今になって神の光が与えられて優しくほんのり慈しむ。そして未来になったのです。
そうなの、これで良かったのです。人生にやっとやっとこの今になって、ついに神様に会えたのですから。
山の頂に登りつめた時、神と輝かしい栄光に暖かく包まれ、やっとこの調和した時空がやって来ました。
神は私を優しく気高い瞳の中でじっと見つめた。慈愛の神の御霊を受け止め、世界の創造が私の人生を全肯定されて行われる時、ああ、これこそが愛のやすらぎなのです。
真の天地の完全な調和の安らぎなのです。
青い天空を越えて宇宙の彼方へ青い精霊は空の一つの真実の中で、神と正面に向き合い人生は生まれてからこの今までが、全てを邂逅されて解脱し昇天していくのは、本当に生まれてきた私なのです。
私の人生、私のままで、私、これでいけます。

人生体験

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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