少女
私の内なる宇宙には私だけがいるこの真実にどうすればいいのでしょうか。
宇宙を創造した一人の人間に問い掛ける。あなたは宇宙を初める為の儀式を行い、この少女の人生観に新しい啓示を与えた。
こんなにも全宇宙は今生きているのです。
少女がまだ何も知らない幼い頃からあなたは素晴しき啓示をこの少女に与えているのです。
少女は人生で初めて人間の悲しみを知ってしまったのかしら。
でもきっとこの世界にはやり残した事がまだあるのかもしれない。
私は個性を持つ人間として生まれてきて、人生においてやらなければならない事に気付いた時、大地には暖かな春が訪れて新しく生まれてきた幼児のように、一人私らしくなっていった。
この若き青春を謳歌する愛らしさを感じるのがとても好きなのです。
何という愛らしい可憐な人生に暖かい春の訪れがやってきて、この世界をまた激しく燃え盛り生きていけるのだわ。
少女の命は、いつかしら散ってしまったというのでしょうか。本当に少女の命は少女一人だけのものだったのでしょうか。
それとも私を真剣な瞳で見つめていたあの少女は、天空に手を指し伸べた青い心象の鳥となったのかしら。不思議なひらひらとした神の羽根がこの世界に忘れ難き人生に、そっと優しく語りかけたのです。
神の身軽さをふわっと実感してその浮遊する優雅な羽根に期待した。
あなたはとても寂しく孤独にじっと佇み、ああ、可哀想に1人の人間の人生とは、あまりにも重すぎるのでしょうか。
昔私の好きな人であった幼い少女とは一体、本当に見憶えのあるこの可憐な少女だったのかしら。
そしてそのあどけなさで人生の悲しみを知ってしまったのでしょう。
少女のこの世界ではない哀れな佇いにどきっとして、死を意識した儚き悲しい愛の彼方へと迎える。そっと静かにふんわり微かに生きているのでしょう。
私、世界の現実を知りすぎたのかもしれません。
あなたよりもっと先に私を早く死なせてくれたら良かったのにと、少女は泣きながら語りかけたのです。
ただ少女のさめざめと泣く姿がいじらしく青空の創成の彼方に沈んでいく意識は、もうこの世界にはすでに無いのではないかしら。
あまりにもちっぽけな自分の存在にただただもう死ぬしか。ああ、神が宿るこの奇跡の子とは一体何者なのですか。
この世界でまだ生まれていない不思議な遺伝子のままで、ただこの世界を忘れたかったわ。
もっとはやくに言って欲しかった。何て悲しい私なの。私は今よりもずっと前の過去から、もうとっくに清純な少女では無かったのです。
私にいっその事別れの言葉を素直に言って欲しかった。ああ、人生よ、私はもうとっくに生きていないのです。それとも、もとから生きたくなかったのでしょうか。
いいの、そんな事どうでも、いっその事、あの少女は私に一体何を訴えたかったのでしょう。
なぜ、あの時、守ってあげれなかったの。あの少女を助けてあげられなかったのです。
さあ、もう少女をさらって、もっとさらってください。他の人々がしてあげれなかった事を、ただただ私だけは少女にしてあげたかったのです。
少女を一人残さないでください。お願いとてもあなたは寂しかったのです。そんな事があの時の未熟な私にはまだわからなかった。人生の悲しみはもうこれだけでいい。こんな思いはもうそれだけでいいのです。
そして、さあ、1人の新しい少女の伝説が今から初まるのです。
こんな美しい気持ちになった初めての夜明けでした。こんなにも感動して美しい未来の物語をこれから書いていくのです。そして私は清純な少女になってしまいましたわ。
神は生まれ変わった私にまたこんな嬉しいいたずらをなされて、ふふっ、何ておかしいのかしら。
ああ、全てが吹っ切れた。何て幸せなのかしら。さあ、こんなにもいい気持ちは一体どこに行ってしまうのでしょう。そう、少女の中に人間の優しい心を始めたのだと思います。
人間って、何て生まれ持った内なる宇宙でたった一つだけの物語を持っているの。さあ、神様、この少女をどうかどうか助けて下さい。
そして宇宙はたった一つだけの心になったのです。
たかがそんな一つの悟りで、このように人生は素晴らしくなれるのです。そう、そっとしておいて、こんなにも今はいいのですから。とてもいい気持ちなのですから。
ほらっ、神の慈悲がこんな所にもあったのねと、時が過ぎさって、ふとこのように今なら全てわかるのですから。
こんな私に生まれてきて本当に良かった。そうこんな人生を生きてきて本当に良かった。
私のこの一つの心は私だけのものなのです。この心は宇宙で唯一私だけのものなのです。
今はこんなにも元気です。
こうして人生は解決して、この世界は解決して、ああ、もう何もかも、この今の私はこれでいいのです。
世界で些細な事なんて本当はどうでもいい事なのです。私はこれで全て良かったんだわ。
少女