迷走クララ
「結城さんてさ、なんか不思議系な美少女だよなー」
まだ新しい学ランを学生らしくきちっと着こなした少年が友人に問い掛けた
「ああー、クールってかミステリアスってか…」
数秒間が空いたあと二人は声を揃えて可愛いよなあ、とため息のように言ったのだった。
「ねえ…」
「はい?」
透き通った声が二人の少年を包み込む
「きみ、これ落とした」
「…っ、あ、え、結城さん!」
声の主はどうやら先程から二人が話していた結城と言う少女らしかった。
少女は少年が落としたらしい何か解らないキャラクターのキーホルダーを渡すとスタスタと歩いてどこかへ消えてしまった、二人の少年はぽかんと口を開けていたがなんとか言葉を発することがでるようになった、「可愛い」と。
迷走クララ