美少年

美少年

昇天して天空を飛翔する時空が御誕生する世界。ひとつふたつと大上段にひと回りして昇天していく本人の情景を想像してごらん。
何という美しい飛翔体の存在、この白明の御魂が宿る心身に宇宙エンジンが着火しようとしていた。
全宇宙のエネルギーを獲得した人間は、いかにも神秘的に神々しく昇天した御姿をしている。あなたはそっと私を御園に連れていくのだわ。
昇天した美少年の手が私に触れた時、万物の執着が解きほぐれ共々に全てが取り除かれて、宇宙に一つだけの無重力状態がそこにあった。美少年が昇天していきこの世界を超越して全てを越えている。
この天に昇っていく情景はとてつもない至上の愛に満たされて、この宇宙で一番明るく光り輝くのです。
人生の出発点で体が巨大化していくように心も大きく胸を高鳴らせて未知の次元に成長していく。
昇天した美少年の宇宙に解き明かされた花のユニヴァースが無性の愛で開かれて、生命で一番美しく愛された卵細胞と一つになるのです。
昇天する美少年は何色の体をしているのでしょうか。昇天する美少年はどのような感情で、何を見て考えているのでしょう。
宇宙には昇天する星々が華々しく移ろいゆく光の絵画を描き、その星々の図形を少年は拝み昇る無の重力感で、何という瞳には無限に変化する目映い虹の絵が描かれるのでしょう。
このきらめく虹に移ろいゆき変化する究極の媒体の中で愛の営みを行うその夜に、朝顔の花は咲くのです。
この昇りゆく朝顔の花の精神世界の統一的見解に、人間はどのような感情でひと思いに生きて朝顔の花を散らせるのでしょう。
朝顔の花の散り方をこの世界にたった一人だけの癒しのオアシスの中で神様から教えて頂いたのです。
この世界に誕生して昇天していく星々と共に生死の成り立ちを、私の黙想によって整理して、それを神々の素粒子へと一つ一つ丁寧に還元していく時、この世界にも一つの真実が死から生へとタイムワープし始める朝顔の花のあまりにもの嬉しさに、ときめくのはなぜなのですか。
人生は万物の中で一体何に喩えられようか。誰か答えれる人がいますか。
この世界で花の生命とはこんなにも儚なく生きて意味もなく漂う雲水の修行僧のように、全く計らいはなく何も決して未来に期待なんてしていないのです。
美少年の存在はもう今生きていないその事実に、全てはどうでも良くなったのではないでしょうか。
私をふと忘れさせそっと記憶が無くなり、もう一つの人生を初体験させてくれたら、あなたはさぞかし感謝すべきお方になれたのに。そう、そんな事を言っても朝顔の花はひとすじに強く生きていくのですから。こんな不思議な事がありましょうか。
朝顔の花を昇天させたたなびく雲を見つめながら、過去の私は、そう青い空中にまだ浮遊していなかった昔の私は、もう今では別人となってしまったのでしょうか。
私の知らない所でふわっと宇宙が飛んでいたのです。
何という素晴しい空想のひとときに昇天できた朝顔の花は、昔の朝顔の花の孤独な世捨て人とは少し違うことに気づき、何という進化せざるおえない究極エネルギーが地球上から昇天する事が、こんなにも嬉しかったのです。
私のクライマックスはこの世では無かったのかしら。昇天している最中のこの理想の時間のままで、そっとしておいて欲しい私だけのこの法悦の状態に、唯私だけにあったこの世界の真実とは、私だけのものなのです。
誰がこの世界で朝顔の花を昇天させたのでしょうか。その問いには神でも答えられない。
神のその問いは世界に一つだけの最も美しい叙事詞が創成された真理で、ふわっと飛ばせる少年は誰もいない世界へといかせた、この少年こそが本物だったのです。
この世界にそんな事実が存在して、もう一つの世界の創成をふと片想いように恋しく連想させるのです。何てことはありません。人生は結局はじめからうまくいくようにできているのですから。
朝顔の花を一想いにいかせて、天国の完全な理想の状態へと迎えさせた、もうそれだけでいいのです。
こうしてあなたの想像はこのように生命が御誕生する時空の中で、もう一つの新世界を、もう一度だけ神の華麗な表情を見せてください、お願い、もう一度だけなのです。
昇天した朝顔の花は神から本当に救ってもらったのです。これでこれでもう何も望むことはありません。こんなにも完全に調和した世界に、完全に調和した少年が存在している。
ああ、そしてこんなにも神に愛されて昇天した美少年は美しい世界で昂然と一体何を考えているのでしょう。
このような世界に生まれし少年は、すぐにまた美しき世界を忘れてしまうのでしょうか。
そして少年はこの世界を統一していったのです。
この世界はもうすでにあなたのものになったのです。少年は宇宙に一人浮かんでいる。こうして私は、

美少年

美少年

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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