夜の海

夜の海

夜の海に青い光がぽっと点灯している。その静寂な異空間にマリアは乙女時代のあどけない可憐さで佇み、十字架は神の手に委ねられていた。
海の上に十字架がゆったりと神妙に並外れた存在感を持って青く輝やき、マリアの情緒はいとおしい甘さで若かれし青春時代を回想しているのです。
十字架には生命の設計図の暗号が書かれていた。その暗号を解読した生命は脱皮して、本当の生命の御姿に環っていくのです。
夜に十字架は神聖な表現媒体で、海の上に誠実で大きな存在を立派で威厳に満ち溢れて浮かび上がらせ、平和な印象で漂流している。
十字架は神々しい世界の変換形式の次元を高く増やして、複雑化した宇宙を単純化していくのです。
海上にひっそりと浮かんでいる十字架は、私に神聖さを次元化した存在感で畏敬の念を起こさせて、ただただ心は不思議に癒されていくのです。
そしてその青い十字架は意志を持っているかのように、そこで私をじっと見ているのです。
十字架が私の守護神となり御加護してくれるその確信に、得もいわれぬ感動に包まれて安心する。
十字架がそこに静謐に佇んで神の愛の光を発し、偉大に創造する原子核の生成プロセスとは一体何なのかを、まさにこの光の教典が教えるのです。
神は十字架に復活の光をふわっと目映く発して、私の体を優しく青く包みこむのです。
まさに全細胞が目覚しく復活していき全く新しい生命体に変化し生まれ変わるのです。
神を敬虔に祈ります。生命の復活について整然と再構成されていく。その時はっとキリストの受難を知りました。
十字架が私の体に触れて解けていき全人生の罪の存在が赦される。十字架は徫大な全知全能の交響曲を単一楽章に統一した神の知識の結晶を、私に教える世界的な調性の平均律が流れた。
十字架を握り神の手と触れ合うこの世界で最も尊い感覚に、感情が澄み渡るのをはっと知るのです。
神の手と私の手が重なり合いひとつになって十字架を持ち上げる。天空から荘厳な神の光が大きな十字架へと一心に愛を降り注ぐのです。
神の手が私の手を強く握る時、全人生はふわーっときらめき昇天する。
この全知全能が存在を全く空にしていく、神の手の御技が御言葉を授けて天は生まれる。これは天国の神の啓示なのだわ。
神は私を十字架に張り付けるのです。
そして十字架と共に青い静寂な天空へと厳そかに上昇していくのです。
この世界から外れた第3者に委ね任せた完全なる安心感に、あなたと共に青い地球に環るのです。
十字架にそっと寄りかかり、私の人生は完全に新しくなりこの身はこの全知全能の寄り処を生まれて初めて知ったのです。
海に環り大地に環り宇宙に環っていくのです。
夜空に輝く青い十字架と神の手に見守られて、奇跡の幼児の神事、神官、神物によって私は神の傑物となっていく。
私の傍らで十字架は神の徫大さにその尊厳を一心に集めて、得も言われぬ父親的な安心感を漂よわせ、私はあなたを「ファーザー」と呼ぶのです。
天空と大地が何という大きく広がり事象化していく新世界の摂理に、こんなにも万物は諸行無常に変化して移ろいゆくのです。
万物が十字架にうまく順応していくその奇蹟の御姿に、宇宙に有無の超越の先のさらなる超越を起こすのだわ。
宇宙の広大な銀河達が、遠く彼方から私を見つめているのを感じてはっと驚くのです。神様が私を見つめている。ああ、とても安心するのです。
大海原に波しぶきが高くあがり、天空は静寂に巨大なこの世界の完全な完成体の真理で、美しい徫大な教会がそこにぽつんと建っていました。
この世界の人類がこの時をずっと待っていたのです。
それが今起こっているこの幸せな状態に感動した。私は神から全身全霊で祝福されたのです。そして大きく大きく私を暖かく見守っているのです。
ここまで生きてきて今本当に神から愛されている。そして神の手の平に載ってこれまで誰も行ったことのない天空の国に行きます。
青い地球は神の愛によって全てが復活している。
神の愛に喜び昇天していくこのエネルギーを強く強くさせて、世界の人々に幸せな愛を届けるのだわ。
神は私を慈悲深く見つめているのです。そして私は泣くのです。ああ、この世界で一番幸せ者になったのです。
これから神の愛によりこの世界で煌めく無限の創造を行う。
さあ、昇天したのです。神は私を昇天させた理由は今ならわかります。
人間を超越し、さらに超越した神の高貴な人格を知った。この経験は素晴らしい超越体験なのです。私は私なのではない、もう超越者なのです。

夜の海

夜の海

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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