仏典

仏典

私は人の気配が全くない山を一人孤独に歩いて行くこの世界の逃避行をしていた。
山を歩いて心と体を整え、原始の太陽と月の運行に四季は変化して万物の発生を想う、我が人生をこの世界に降誕させるのです。
月が輝かせる太陽の運動に、我の存在は完全に無くなっていく。山に宿る深い深い宇宙の真理に、この自分の存在の美しさを知るのです。
その山の頂には一つの祠がありました。そこで1人の仏様がお経をあげて、月夜の青く慈悲深い敬虔な祈りに、未来を願い心はそっと優しく集中する。
あなたの所に行かせてください。
仏様の青いしんしんとした月夜の清澄な悟りの時空。仏様の空にはお経の広大深遠な宇宙が広がり、私の存在を私にして私は心の故郷を知るのです。
あなたの大きな心のお経のリズムに完全に癒され清々しい仏様の心へ。ああ、これが仏様の心なのです。
私は12人の仏様にこう言った。「人間は、何のために生きているのですか。」仏様は「自分と向き合うためです」と答えた。
仏様は手を広げて法玉を指し出し、その清らかな真理の光で幽玄な熱気を上げて、生命のひとすじの人生はひたむきで本気に、ただ私、自分の存在に親しみを持って頼り対話していく。
仏様、私の存在は幸福になっていきます。
法玉が顕にする慈愛に、仏様は手をかざし超統一していく知性が究極に超越した次元の仏様の時空となった。仏様の超常状態で存在を菩提化した精神状態で柔らしくさらっていった。
和敬静寂にほんのり甘くて、しなやかになすがままに。
仏様は私の体を大きく柔らかな肉体で抱き、そして私の人生は肯定されたのです。
そっと仏様の顔を見た。そこには仏様の真理があった。私はなんとも感動した。
仏様は私の手にそっとその森羅万象の宇宙の心を持たせた。全身全霊の暖かい心は超える清澄さに新しくなる心。心の故郷を知りただただ泣くのです。
私は人智を超越していくその精霊の感覚に、仏様の体を強く身を委ねるように抱いた。
仏様と一体となった光惚感に、心と身が仏様の光を発していった。
仏様に寄り添って私は仏様になっていく。
仏様は私に親しく優しい想いを柔らかくしてふわっと抱いてくれる。
母胎回帰していき母親の存在の中に人間が降誕した時空に還ったのです。
遠くから誰かが「お母さんですよ。」と優しく甘く真理の言葉が空に還っていく。
私の全ての心は大きな仏様の心身に委ねられ、和らぎ安らかになっていく。
仏様は仏光を天空に飛翔させて、完全なる法の幸福の慈愛と愛心で愛語を語り、天上天地天空は爽やかに清明に澄んでいく。
この世界が幸福に満ちて身心が超越し解脱を起こして、私はこの世界からの逸脱をはたすのです。
超越者の超越した身心脱落たる超越した感覚に、超越した仏性は、仏様により超越した仏典として評価を得たのです。
ついに私は仏様に成仏して仏典を創造したのです。
仏様との清らかな肉体的な関係により、私は新しく生まれていくのです。
仏様は私を抱いてくれるその慈愛の心に、感覚はなめらかにしなやかで安らかになっていく。
何かあれば仏様が私を抱いてくれる。
仏様の心身との関係性において私は解脱するのです。仏様との肉体的な感覚を想えば、万物が我によって創造されていくのです。
母胎回帰的な心の寄り処を知り、完全なる身心が解脱していく。私は存在しなくてなっていく。仏様は私をそっと優しく手でたたき、現世に再び送りだしたのです。
あの異次元の心の母胎回帰の体験が私を復活させ、この感覚を一度知れた事により、現世が不思議さに超越していく。
振り返ると仏様が私をまだそこで見守ってくれている。仏様がそこにいる安心感から、優しい心が平明で慈愛に満ちていく。
これから自信をもって感覚化していくこの世からあの世への旅。
私に旅をする意味を救えたのは仏様なのです。肉体は美しいあの世に澄んで静寂な心でそっと仏様に還る宇宙のあなた。
あなたにはわかっています。あなたはわかっていました。
さあ、行きましょう。さあ、未来。

仏典

仏典

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted