少年と少女の恋

少年と少女の恋

この現実を忘れさせた神の嫉妬心で偏愛されていくのが、ほらっ、わかる。ほらっ、あなたはもう飛んでいるのではないかしら。
そうしてこんなにも世界は澄み渡って少女の美しく儚い手は、か弱く青い隔世に佇む人生のあなただけに愛を数えます。
私という乙女を清く美しい純血のままにさせておいて下さい。こんなにもこんなにも愛らしくうっとりと流れゆく天の川にときめいている。
この世とあの世の教会が海辺の砂浜にひっそりと佇んでいる隔世な異世界で、現実に嫉妬を抱きダンスを踊る貴公子の後姿に、少女は恋をしたのです。
教会の舞踏会に人生の全てを懸けてでも手にしなければならない人生の夢のまた夢。
夢でまた逢いましょうと、夢の世界の貴公子は少女に囁くようにそっと別れを告げなければならないこの定めに、今夜も少女は哀しげに泣かなくてはならないのか。
少女の夢のまた夢の世界で結婚するのは、あの美しく若い清らかな美男子の憧憬なのです。
少女にとってあの美男子の気高い優しさが手に取るようにわかるのです。
人生で解剖図鑑の人類史上類い稀のない、見るからに美しい究極の放物線で飛翔しなければならない乙女が必ず叶えて結合したい媒体への哀歌があった。
教会の鐘に少女の決意をぐっと固めさせ、少年との夢の甘く溶けた柔らしい世界を迎える。
こんなにも想っているのに何も知らずに、少年はそのあどけない若き身体をもて遊ぶ。
この世界で物語の主人公となって潔ぎ良く躍動する肉体で踊り、大衆の喝采を受ける天才の未来に酔いしれる。この眩しくて青すぎる海には円輪の達観があった。
時空に哀しさと嬉しさが絶頂し初めた生まれたての素粒子達よ。
こんなにもときめき地上に明るくまわるダンスに生きて存在するかしないかの少年は、ただ真っ直ぐに一生懸命生きていたのです。
その神々しい天啓のダンスを抱きかかえて、少女は少年が持つ誰も見たことのない内なる世界へ行ってみました。
少年は少女を見るなり物想いにふけ青空をうつろに見つめた。
そっと少女の清純な身体の生まれたばかりの情感の潤いのある海にどこまでも濡れていきましょう。少女は威厳に満ちた不可思議な身なりでそこに立っていた。
雨の降らない天晴れな情景が広がる人生に、この世はこの世としてここに私は生まれてきた意味があったなんて、たったそれだけの事。
少年と少女は恋に萌えて本能の海にじーんと浸る、こうして男と女の生物のシンメトリーは調和して優雅に変身していくのです。
男は女を愛し、女は男を愛し万物創造の起源の宇宙に環っていくのです。
この世に生まれて少女は生まれて初めて大人の女になっていくのです。
大人の女になれないままの少女なんて、そんなの。生命の起源の啓示的な男と女の造形物に礼を尽くしていくのです。ああ、こんなにも天啓の光に輝いているではないか。
少年はやがて神から選ばれた少女の太古の母なる故郷へと帰り、真実の遣伝子の造物主から教育を受けるというのであろうか。
少年よ、大志を抱きなさい。やがて少女の恋は実りその可憐な果実の正体は神の肉体の造型であった。
私の愛を天国への昇天の命題にさせて下さい。
少年は少女の肉体を優しく愛憮して決死隊となる人類史上の最もなるときめきに、君を女にするために私は生まれてきたのです。
少年は少女の愛の海に浸り、ひたすら快楽の追求に熱中するのでしょうか。
少年は少女の生まれたばかりの清らかな肉体を神に召しませ、その心を清純無垢にまで高める事なのです。
絶頂における少女の肉体と精神は、天に昇る母のような安らぎにうっとりと優しく溶けていた。
少年と少女はこんなにも美しくなりました。
この世とあの世に海は満潮を迎えて、人生が肯定的にほのかに回帰される頃、少女は少年を強く抱き青春とはいかに熱く迸る情愛の結合した世界の高まりなのでしょう。
人生は青春としての人義を全うする、全天晴れ渡る野に咲く神の指で全神経を解脱した。
あなたは青空のまっただ中に浮かんで、北極星は青春の人の世に澄んだみそらの天使になった。
私を青空に心弾ませて連れていってお願いです。
そしてこの恋心が満天の星々に必ずや導かれて、昇天する星々の人生賛歌で一つに凝縮させていくのです。
少年は少女との愛を知った初夜、広大深遠な宇宙に神の涙の青さを知ったのです。
私を青くしたあなたのオーラになれそめの優しさに、こんなにも喜びときめいて美しくされていく。
今、昇天している。
私達は昇天していき、こんなにも天へと、ここまで昇れるなんて。
神は私達に昇天を促して、もっとも人生の素晴らしさを語りあう。未知なる若い少女と少年は神の素の力にときめき感動している。
そして私達の人生はこうして神を感謝して生かされていく。
あなたは死ねません。私も死ねません。
わかる。私達の神通力に溢れるオーラは昇天、昇天、昇天。さあ、この世界を越えて天国へと行きましょう。

少年と少女の恋

少年と少女の恋

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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