巣立ち
人生ってこれ程までに美しいものなんて知りませんでした。
私は大木の枝に作られた巣の中で、外界の感覚情報から完全に離れた彼方遠い地球の御姿があった。そこから宇宙の形体について想像を巡らすのが、本当に好きなのです。
今日は万事青空が澄み渡り、どこまでも安らかにやわらかで無の感情に優しく包まれていく。
世界は青く澄んだ善い心に溢れた釈迦の国のお伽話ではないかしら。私が心の中で想像する物語は全て現実になっていく。不思議な乙女が可憐に飛翔する嬉しさに昇天させてください。
地球には色とりどりの四季が巡り宇宙の中を円運動をしているんだわ。それをなぞって私もゆるやかに手を回転してみるのです。すると広大深遠な宇宙の中で円運動する感覚がわかるから。私、こうして生きているんだわ。
この世の青空へと羽ばたいて単立ちをしたら、私の心の中でずっと想像していた事を現実化できるバイタリティーがある人間にならせて下さい。お願いいたします。
初めて天空をふわっと飛ぶ気持ちってどんな世界観なのですか。これからこの宇宙をふわーっと飛んでいって、ときめくアイドルになります。
私を地上のアイドルにさせた遠くの岸から見守る傍観者とは、一体どのような美しいお方なのかしら。
こんなにも遠くに来てしまった私はもう宇宙の遠く彼方の星の傍にいるのです。
私は宇宙の創造者のしもべとなって、そっと昔の若かれし乙女の御姿を懐かしむのでしょうか。
こうして私は物語を想像しているのです。そっと神は私を宇宙の回転運動の一員として招き、プロポーズしているのかもしれません。
この世で本当の真実の世界を私に教えないでください。
私とした事がこのような天を翔ける美しい感情に耽る事を優しく許されるのでしょうか。私を恥ずかしめないでください。
世界は私が想像した通りになりました。
本当にこれから地球上の可憐な浮遊者として生きて飛翔する事が認められたのです。
そして私には宇宙の提唱者の微かな啓示を密やかに聞く事ができたのです。
これで私も地上から浮いていき、美少女の御霊の清らかさに究める世界の真理の中で、そっと羽を広げてみるの。この最上級の感触に浸ってみるの。世界に生きて存在している事への不思議な感謝に、教会は青く生命を目覚めさせたのです。
地球が明るくさわやかに開いていく。
大いなる宇宙に弾ける清純な少女の美しき秘め事。
地球は救われていく絶世の乙女に恥じらい愛憮する悟りの事象で新たな地平が開かれた。
天から生まれる傑作的な羽ばたく想像性で、青空をいける所までもっともっと先へと伸ばしていく。乙女への執着を持ってしまう事を認めます。わかりやすい私の心を解説するのに辞書はいらないのです。
世界は色とりどりの感傷性で雨にしっとりと濡れて流れ、その静かな青い海に深く潜っていき、私はそっと現世を忘れるのです。それでもまだ地球は青かったのです。
まさに地球は、地球として、地球の青さを認めなくてはならないのです。
青い地球の豊かな自由の意志を今なら信じることができる、確かに感じることができる。ああ、私は美しく天に昇る事を許されたのです。
天に昇るためにはどうすればいいのか。単の中で静かに深くゆっくりと考えていたのです。
この地球の地平線の歴史は私が本当にこれまで経験してきた人生の時空なのです。
それでも乙女は人生を癒したりないというのでしょうか。この地平の広がる時空には純情の愛が一つ確実に存在していたのですね。そして私はやっと寛容に許せたのかもしれません。
私はこの世界の過去を全て許せたのでしょうか。もう全てを許して楽になりましょう。
過去の私を今の私にならしめた地球と月との周回してきた日々の時間の年月よ、全ての天体は宇宙を美しく優雅に周回しているのですね。
そう、そうなのですね。万物は私の想像によるものなのですから、この世界の現象はとても不思議なのです。
その神秘に気づいた時、天空に一斉に輝き放つ星々の光が私に可憐なメッセージを送っているのです。
この世界から自分の存在を忘我させる事を考えるのが好きなのです。かつてない世界を想像した人間は超越する方法を知っているのです。
私はこれから羽ばたき単立ちをして物語の主人公に変身する。
この世を超越して、そして宇宙で唯一の少女にときめく、大地への礼儀の華麗なひらめきは、そっとか弱く愛憮する乙女の青きか弱い恥じらい。
この世界は神の秘密に淡く儚い恋心を微かに持ちあわせたというのか。その微かな恋心はもう今となっては少女だけの想像力に委ねられている。
こうして少女は大人になっていくのです。大人になりたくない少女は、ただ青空だけをじっとずっと見つめていた。その純心な十字架を青空にそっと浮かべるのは、きっと少女に違いない。
ただただ抱かしてください。ただそれが私の青春の中に少女に感じている証明なのです。
巣立ち