オーケストラスコア

オーケストラスコア

この音楽の音符のモチーフを自由自在に操つり、全く意味を持たない構造をしていたオーケストラスコアを人に聞かせれるレベルまで改編させて、いきいきと躍動する音符達がまざまざと現れている。
神の啓示を宿した音の羅列は、頂点に登りつめる音階のモティーフで本当に聖なる不思議なラインなのです。
この聖なる夜に天使がひそやかに舞い降りたのです。
私の中に流れる音楽のメロディーよ。私の心と体を助けてくださり、もうこの世界から昇天する可憐な音譜の傑作を、一人の少年はただほんのりと眺めるしかないのです。

この世界の情景は死んでいるかのように、死を真似て宇宙が鼓動し初める。
ああ、これで私のたった今生まれたばかりの生命は本当に喜んでいるのでしょう。
少年はあからさまに人間としてのもの悲しさに想いためらい、哀れな自分の姿を自然に沸き上がる情熱で思い浮かべて、昇天していく音のメロディーがただそこに今存在していた。
オーケストラスコアが今誕生している。
生まれようとする神の姿が現れた可憐なラインで、うっすらと五線紙に音符が書かれる。
ただ一人の孤独に耐えるこの凝縮された模型が、創始者からの介在を受けて、これから始まる青いオデュッセイアの宇宙を待ち望んでいた。
オーケストラスコアはミューズの啓示によって私の手の中にふんわりと降臨している。
宇宙の彼方の深遠さに強く想い焦がれて、あなたをただただ愛していました。神に近しあなたにただ音譜を書いてもらいたかった。
私は世界で一人神の至練に耐えて努力し続けて、それに対する音楽の結論が美しく整理されて残された。
天才の感性が発揮される音符の情報は、宇宙的な真理で閃き組み合わされて、私にしか復活させれないのです。
オーケストラは新たに生まれる音符を待ち望み、神が想像する意志を持って、調和した完全なる宇宙の想像性による期待値で、この世ならぬ静謐な創造の革命を待望していた。
あなたはオーケストラの音譜をただちに今記載すべきでまだ死んではなりません。
五線紙は教会の静寂さの中で神の光を優しく受けて、流麗な音楽が出現して鳴り響いて無限の想像力の発露に癒されている。
人と人は助け合い至練を乗り越えて愛を育み、究極の御技のモティーフで、ほんの小さな種は生成し発展して変容する意識の中で成長して澄み渡る風に万物は清められていく。
今この世界の全ての存在は私のものとなり、音譜が神の悟り切った完全なる能力の発散性を現すのです。
人間の自由意志は革新された。
全く意味の無く一人残された人生を生きてきた私に唯一残された手段は、音符を書き生命を与える造物主の役割だけなのです。
その薄れた記憶の中で、何も無い宇宙に一つの音符が微かに動いているのです。こんなにも清められて感動する音符の姿だったなんて。
少年はこの宇宙に一つの生命を誕生させた事で、これ程までの不思議さに感動して泣いてしまうなんて。
私は神にしか教えなかった音譜が、宇宙でこんなにもいきいきと優雅に回転しているなんて、ときめき以外何者でもありません。
人間の情緒が宿った音譜しか愛せなかったのだとしたら、それは真実なのでしょうか。
私だけにしか教えなかったミューズの不可思議な音符達に、はっとしてときめいて感動している。
これは一体何なのでしょう。
音符の麗しく流れるラインに、オーケストラが生命感を持ち初めて、宇宙にただ一つの音楽が、演奏者と一緒になって天空を目指して目映く昇天している。
神はこの一つの想いに立ち上がり、偉大なる宇宙の鼓動が大きく威厳に溢れて響き渡っている。
私はただ一人感動するしかないのです。
これ以上、私を泣かせないでください。
私の作曲した音譜が自然に流れて戯れ超越している不思議さに、人々の心を動かす音の魅力が未知なる次元で生命を確立して、宇宙がたった一つだけ真実の中に、一つだけの最も美しい解逅を迎えるのです。
もう万物を忘れさせて、お願い、音楽は私の手で生まれ変わろうとしているのです。
もう万物は無となって天空にふわーっと昇天している。
このギラギラした瞳で宇宙を活性化して生きさせて下さい。
この地上で私の命は無駄にはできない。
さあ、私が作曲した傑作の楽譜によって、この現世から昇天する事をミューズから許されたのです。
私の意識はオーケストラスコアの一期一会の解逅を迎え、正真正銘の真実の人生経験が現れて、本当に得も言われぬ感動をしている。
もっとこの脳を想像性の無限の力で、才知を活性化させてオーケストラが踊り初めるまで、あと少し、もう少しで、私は神から愛されるのですから。
もっとこの世界を美しくしていきたい。これからもっと人間は美しくなっていくのです。
私はオーケストラスコアを抱いて、この世界を、こんなにも愛していたのです。こんなにも、さあ、これまでに無いくらいに私は解逅してもいいのです。
音楽はこれ程までに宇宙の広大深遠な媒体に変化していく。そしてオーケストラは超自然に私の音楽を作曲し初めて演奏した時、私は昇天する事を許されたのです。

オーケストラスコア

オーケストラスコア

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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