ブラームス
人生を一人で生きてきた事をよく頑張ったと褒め称える事で、この寂しい夜を幾度となく乗り超え、あなたと天国で再会する幻想に耽る。あなたはなぜいってしまったのでしょう。
世界で1人だけの孤独に耐える至上の寂しき心の憂慮に、全く人生とは無意味なものだと情けなくなっていくのかしら。
ウィーンの古風な町並みの中でふとお洒落なカフェを訪れた時、ブラームスがピアノを高貴なる指先で、何か異なる雰囲気の不思議さで幻想的なメロディーラインを弾いて陶酔し、我にも昇る天使のささやきを叶えていたのです。
私は誰にも知られたくないこんな不思議な場面に出会えるなんて、この人は男らしい男なのだとブラームスに惚れぼれしてしまったのです。
何という神に愛された天性で人間的に煌めく無尽蔵な発想力なのでしょう。
カフェに客は私1人だけで、ブラームスを特等席で間近に観察できる、アイドルと制限無く対話できる人生の特権に感動している。この青春の年齢は17才なのです。
1人だけの人生の見知らぬカフェで、ブラームスと世界を共有できる小宇宙で、音譜が無限に浮遊して太陽の光で明るく輝やき放つ、この音譜の回転運動に、癒しのオアシスを見つけたときめきがあった。
青春時代の若かれしブラームスの手にそっと触れた時、神が創造する天国の音譜の形状を知って、この世の別れ方を意外な形状で教えられ、若く情熱的で夢に溢れた若気の迸りを私の手に与えたのです。
ブラームスよ、あなたは私にとってチャーミングすぎるのです。何て美しい天使のような瞳なのでしょう。
その神に愛された無次元の容姿に、あなたは一体どうして何を考えているのでしょうか。
そうなのですね。ブラームスをあなたと言える私の存在は、あなたと同じ何か特別な存在となっているかのような心境になっていく。
ブラームスはピアノを弾きながら、私の方を気にして魅惑的でミステリアスな瞳で見てくれているこの超えた時空の中に、至上のアイドルとは私を興奮させて陶酔させる。もうこの世は大上段になった。
ブラームスと一緒に対話できる貴重な昇天の時空の中で、私はこのアイドルと手を握り合って一緒に音と戯れる夢のような至上の少年となり、大志を抱いていた。今まで生きていて良かったと。この時の為に私は本当に生きてきたのです。
あなたに恋をしそうで私の内なる細胞は不可思議な形状で、恋する乙女の光惚状態を迎え、ぽっと世界に一冊の聖書を私に手渡した時、ブラームスよ、あなたはここまで神々しく細く長い手をしていたのかとスターの存在を知ったのです。
聖書を手渡すブラームスの手は清潔で白い愛らしい意識を逸脱したあの世の虹色をイメージさせて存在を無くしていくのです。
ふと聖書の一ページをその神の手でぺらぺらとめくる、この世の存在では無くなる奇跡の場面で、私達に天空から照射する光がうっとりと当たり、新時代の音楽を誕生させたこの男は、高貴な佇いで生命感を無くしていました。
あなたは生命感を一つの体の中に本当に無くして、聖書の一節を私に読み聞かせて、そのつぶらな瞳で私の心を気遣ってくれる時、天空からふわっと指した神の御光の存在に気づいた。
得も言われぬ明星となった高次元の暖かな人間愛を知ったのです。
ブラームスは私をじっと見つめる不思議な気持ちのニュアンスにほらっ、宇宙が少しずつ動いているのです。
あなたは、両手で宇宙を少しだけそっと動かしてみせたのです。
この不敵に微笑する男は先の未来を預言して、これからとてつも無い音楽を作曲するのでしょう。それが私にもよくわかるのです。
ブラームスは聖書と自らの作品について、特別で独自の感想を私に述べて、宇宙論を無限に転回していく時、私はもうこの世の人間では無いのです。
あなたのアリスの宇宙認識論に感動して、全く新しい音楽が奏でられて軽くなり、重荷が全て取り除かれる。
あなたの聖書はこんなにも神の啓示の光を与えたのです。
あなたは、一体この世の何者なのでしょうか。この世での神の弟子だったのですね。
あなたは私に何を期待するのか。
ブラームスよ、さあ、革新していきなさい。
あなたはその天才的な調べの、人間が誰も考えた事の無い不思議な世界で、未来の誰も知らないあなたが生きているのです。
ありがとう、もう死にます。そして生きます。
この世で私はブラームスと会わしてくれて、こんなにも元気になっていったのです。
ブラームス