夢王国と眠れる100人の王子様「贈り物は何度でも -雪の降る聖夜に-月のフロスト-」
【前置き】
俺(フロスト)と、トロイメアの姫(彼女)とは、虹の国、オズへ来ていた。弟に頼まれた役目を終え、大切な者と過ごすものだと聞いたクリスマスに、彼女と二人で街を巡る。一緒に立ち寄ったアンティークショップで、俺は彼女のクリスマスプレゼントとして、真鍮の鍵を選んだ。
お返しを準備していないと気にする彼女に、俺はそっと唇を重ね、ベッドへと誘った。翌朝――。
【登場人物設定】
フロスト:雪の国、スノウフィリアの王子様。大柄で、銀の髪の毛、赤い瞳を持つ。自信家で、ウイスキーを好む。弟が二人いる。
(http://www.yume-100.com/character/profile/frost.html)
彼女(主人公):現代日本から飛ばされ、トロイメアの姫になった。フロスト王子を眠りから目覚めさせたきっかけで、彼と恋仲になる。
分厚いカーテンの間から、薄い明かりが漏れている。
夜の雪が作る明かりとは、また違う、朝の生命力に溢れた輝き。
夜の街を彩る灯も、我が国の魔法で作り出すものとは違っていたが、差し込む朝日も、国が違うと違って見えるものなのか。
「うぅ……ん?」
俺の腕の中で眠る彼女が、軽く身じろぎする。
差し込む朝日が変わっても、ベッドのシーツの肌触りが違っても、幸せそうに眠る彼女の寝顔は変わらない。
絹糸のような髪が腕をくすぐり、もぞもぞと動く足が俺の足に当たり、驚いたのかぴくりと跳ねる。
毛布から出た肩は少し寒いが、彼女の温もりを抱いているとなんとも暖かい。
後ろから腹をそっと引き寄せ、まろやかな腹部のラインをゆっくりと撫でてやる。起きているときに触ると少し機嫌を損ねる腹に手を回すのも、こうした朝ならではだ。
起こさないように柔らかく肉を掴む。胸とはまた違った感触が楽しい。もう少し肉付きが良くても好いものの。少し気にしすぎる。
「ん……フロスト……さん……」
俺の夢でも見ているのだろうか。
昨日の名残りがまだ赤く散る真っ白な肩に、軽くキスを落とす。髪の毛をゆっくりと梳くと、首元にも跡が見えた。
久しぶりの逢瀬で見せられた彼女の姿態に興奮し、普段より多めにつけた、征服の跡。
顔を洗う時に気が付き、マフラーで隠せるかしら、とあたふたしている姿を思い浮かべ、つい笑みを浮かべてしまう。
もう一つ、つけてしまおうか。
それとも、俺の名を紡いだばかりの赤い唇を塞いでしまおうか。
ゆっくりと上下する胸を乱暴に揉みしだくのも悪くない。
――欲望が、ゆっくりと体温を上げ、鎌首を持ち上げていく。
そんな俺を責めるかのように、小鳥のさわやかな鳴き声が、静寂を破る。そして、ゆっくりと彼女が目を開けた。
俺にしっかりと包まれているのに気が付き、慌てて離れようとする。
「おい、待て……。俺はまだお前の体温をこのまま感じていたいのだが……」
「あ、あの、おはようございます、フロストさん」
一糸まとわぬ姿でベッドから出ていいのか戸惑う様子の彼女を引き寄せ、再度後ろから抱きしめる。
「あぁ、おはよう。だが起きるにはまだ早い、もう少し……」
腕の間に抱え込んでしまうと、多少の反抗は無いも同然だ。
先ほどは起こしてしまわないようにと遠慮したが、逃げようとする小鳥を手懐けるのは容易い。
脇下から回した腕で押さえ、白い胸を、形を大きく変えるほど揉む。すぐに触れてほしそうに立ち上がる乳首には逢えて触れないよう、やわらかい感触を楽しむ。
「あ、あの、昨日の鍵で開けられる扉を探しに行かないと……」
そう言えば、昨日のクリスマスプレゼント。
俺の戯れの冗談を、俺から逃げる言い訳にさせるわけがない。
逃れようともがいていた足を両足で挟み込むと、もう立ち上がっている俺自身が、彼女の尻に触れる。すぐに暖かい中に沈めてしまいたくもなるが、とことん焦らして、目が俺を欲しがって揺れるのをじっくりと愉しんでからの方が良い。
彼女の腰を引き寄せ、閉じた太ももの間に、自身を沈ませる。左手で柔らかな腹を軽く撫でてから、若草へと指を進ませる。
柔らかな髪とは違う感触を楽しみつつ、少しずつ奥へ。硬い感触と、俺の指と、どちらに反応したのか、俺自身が彼女の愛液に濡れるのが分かる。
「あ、朝から……ダメです……」
両足を俺の足で遮られ、俺の手で秘部と胸肉とを掴まれて動けない彼女が、何とか体を起こして俺の顔を見ようとする。
「何が駄目なのだ?」
「あの、今日もまだ……お忙しいのでは……?」
少し上気した頬と、軽い愛撫でもすぐに潤み始める瞳を見せられると、例えどれほどの用があろうとも、今日すべきことは、ただこの愛しい女を抱いて過ごすことのみにすり替わるだろう。
幸いにも、今日は休日だ。
返事の代わりに、乳首を抓もうとしていた指で彼女の顎を取り、驚く暇も与えず、唇を奪う。
舌をねじ込み、逃げる舌を追いかけて絡ませる。彼女の咥内は、奥歯の形まで覚えたほど蹂躙したが、何度こうして粘膜を触れ合わせても飽きることがない。
「んふ……」
漏れる甘い吐息を楽しむために口を離し、唇の先だけを何度も合わせる。鳥のさえずりが随分と大きく部屋に響き、こういうキスが「バードキス」と呼ばれていたことを思いし、僅かに頬が緩む。
鳥はバルコニーに留まったのだろうか、キュイキュイ、と更に大きな声が響いた。我が国では聞きなれない鳴き声だ。
「小鳥も、起きようって言ってますよ。そろそろ……」
俺の両腕で挟んだままの細腕が、もぞもぞと動く。
「それなら、もう挿れてほしいのか? 俺は準備ができているぞ」
「あ、いえ、そういう意味ではなく……」
少し腰を動かし、彼女の茂みと太ももに包まれた肉棒を、軽く揺する。
キスでさらに滑りが良くなった俺自身は、すぐにでも彼女の中へと入りたがり、角度を上げる。
「では、どういう意味だ?」
「ですから、もう朝ですし……早く……」
俺が腰を動かすと、くちゅくちゅと音が響く。鳥は羽ばたく音も立てずに飛び去ったのか、鳴き声はもう随分と遠くなり、彼女の僅かな吐息も、静かな部屋に響き、興奮を高めていく。
「早く……か、早く、こうしてほしい?」
顎を解放した手を、先が色づいた胸へと戻す。今度は胸肉だけでなく乳首も指で遊ばせつつ少し強めに揉む。硬く尖った乳首にはあくまでそっと触れ、柔らかな胸は指が埋まるほど強く揉むと、一番好い声を上げる。
「ほら、どうしてほしい? 言ってみろ」
「……ひぅ、だめ、です、そこ」
「駄目ではないだろう? ここを擦るの……好きだろう」
背けた顔の耳元に囁き、真っ赤な耳朶を軽く噛む。
朝の光で照らされた真っ白なシーツの上では、彼女の肌が少し朱に染まっているのが良く分かる。
昨夜も彼女が疲れて目を閉じるまで深く愛し合った証は、首元だけではなく、乳首の周りにも赤く散っている。胸先を舌で転がした時のさらに甘い声や仰け反る白い首を楽しみたいが、後ろから抱きしめたままだと、触ってほしそうに膨らみ、会うたびに少し大きくなっている気もする胸を揉みしだくしかできない。
だが、この体制だと他に悦ぶ場所も合わせて触ることができる。右手で乳首をやさしくはじきつつ、左手で、彼女が一番隠したがる場所への愛撫を再開する。
カリ先でゆっくりと擦り続けたた秘部は、若草が露に濡れ、まずは軽く撫でるだけで留めようとした指に吸い付き、歓迎の水音を立てた。
甘い香りが漂う蜜に誘われるままに指を動かすと、彼女の好い部分にすぐにたどり着く。女芯に指を僅かに這わせただけで、彼女の腰が大きく跳ねる。
「お前は……ここが好いのだろ?」
「んん……そんな、こと」
乳首を右の指先で柔らかく捻りつつ、若草に沈めた二本の指で、少し性急に女芯の周りの秘肉を擦り上げる。
「ほら、我慢しなくていい」
「我慢なんて、あ、そんな」
両手の指は、彼女の好いところを探し、一つ見つけては彼女が悲鳴を飲み込むのをやめるまで触り続ける。溢れる蜜に濡れた太ももは、新雪に足を踏み入れた時のように柔らかく、俺の陰茎をしっとりと包み込む。
「なに? 達したいのか?」
絶え絶えの喘ぎ声で返事もできないのに満足し、蜜に沈んだ指を増やして早急に擦り上げる。彼女の肩が大きく揺れ、背中が俺の胸にぴたりと張り付き、小刻みに震えた
「あ……あ……フロスト……さん」
彼女が俺を呼ぶ声に、甘い媚が滲む。左手と陰茎で彼女の陰部の収縮を堪能しつつ、右手でまた顎を掴んで引き寄せ、吐息を抑えられない唇をそっと奪う。
達した後に名前を呼ばれるのは、「キスして」、と言われているようにしか聞こえない。
落ち着かせるように、やわらかく舌を絡めると、彼女もそっと応じる。
「ほら、もう少し舌を出すんだ。もっと絡めて……」
「ん……」
「あぁ、いい子だ……」
舌を遊ばせつつ、沈めたままの指を軽く回すように動かすと、薄い舌がぴくっと震える。
それでも必死で俺の舌の動きについていこうとしている彼女が愛おしく、俺自身が彼女を求めてひくひくと動く。
「俺が……欲しい?」
濡れて俺を待つ神秘に今すぐ挿れたくて、自分の息も上がってくる。それでも、彼女が俺を求めて頷くまではと、指でじりじりと彼女を責め続ける。
「でも……今日は……鍵を……」
――俺のクリスマスプレゼントがそれほど嬉しかったのだろうか。
昨日の彼女の笑顔は、来年のクリスマスまで、俺への一番のプレゼントなのに。
ただ、今こうして熱く彼女を求めてやまない俺よりも、あの鍵が彼女の心を占めてしまっているとは。
俺が選んだプレゼントに俺が嫉妬してどうする。
ただ、少しお仕置きだ。――俺をこんなに切なくさせる、俺の姫へ。
続
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*****有料版一部抜粋*************
「ほら、これでキス、できるだろう?」
尻から背中へのラインを手のひらで柔らかく往復してやると、愛し合う二人が繋がった個所からは蜜が溢れ、太もも、そして夜に乱したシーツまで濡らしていく。
背中への愛撫だけではじれったいのか、彼女が腰をわずかに動かし、俺を咥え込んだ陰部が少し収縮する。
戸惑いの色を浮かべた瞳をじっと見つめてやると、恥ずかしげに顔を反らす。その何気ない動きまで、俺の陰茎を刺激した。
「突き上げてほしい……だろ? 昨晩のように」
まだ渋る彼女の背中を引き寄せ、耳元で囁く。耳も弱い彼女の中が、ひくりと動く。
強情な口より、飼いならされた躰のほうが先に俺に従う。だが、もう少し責めてやると、まず瞳、そして、少し重い口も、俺を求める言葉を紡ぐことは、数度体を重ねて解った。
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夢王国と眠れる100人の王子様「贈り物は何度でも -雪の降る聖夜に-月のフロスト-」
「夢王国と眠れる100人の王子様」より、フロスト王子一人称。「雪の降る聖夜に」月覚醒準拠。ネタバレ・本番ありで、一部セリフを流用しています。
後ろから抱いた状態でエロいこと始める話をどこかで書こうとずっと温めていたのだが、「ワールドアワードジュエルクエスト」で何とか手に入れたフロスト様のストーリーがもうぴったりだったので、せっかくなので一気に書いてみた。夢100ではマッドハッター(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9990233)に続き二人目。フロストは初書き。
魔法の国の王子の一人称で語ると、ベッドの上での行為は、ハーレクインみたいな描写の方が良いかとも思ったけど、そういう描写はまだ試したことがないので、ここは和風準拠で。
昨晩色々した後の朝に色々する話はどうも書きやすいので、「ボーイフレンド(仮)西園寺先輩と洗面所でおあずけプレイ(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5262147)」に続き、二回目か。こういう余裕がある大人っぽい感じのにとことんエロいこと教えられて目覚めていくシチュエーションが好きなので、フロスト様は原作から感じられるイメージより少しS寄りにしています。