黙想

黙想

あのお方は一体何を考え、何を感じ、何をする為に生きていたのでしょうか。
あの寂しく美しい空ろな目は、何という逸脱した人生の指針で一つの正しい系路が通った気高さなのでしょう。
あのお方は一体何を苦しむ必要があり、主に対して言い訳をしなくてはならなかったのか。
あの方を心より救いたいと想わせた初めての人間愛があった。
オリーブ山の離れの孤高な彼方にいたキリストがもたらせた、人生とは何という不可思議な偶然の確率なのでしょうか。
何というこの世の移ろいに人知れぬ死んでいった熱情の中に、蓮の花は微かに結露して結晶になっていく。
本当の真実はあなたにしかわからない、あなたにしか見えなかった。それを私は本当に知りたかったのです。
乙女はこんなにいともあっけなくいってしまうなんてあまりにも儚すぎたのです。
私は不思議な秘密の楽園に逃げこみ、この世界の知られざるオデュッセイアを知る。リリシズムに溢れてこの世界のものを全て置き忘れて楽園にやって来たのです。
神々しい人生で見た事の無い蓮模様の極限のイコンが光輝いています。
人類の一時に私はこの世で最も不思議な人生を感じ、色彩の可能性に一時的な癒しを与えられ、祈りと黙想に1人だけの唯私にしか見れない模様は、この瞳を逸脱させる安息日の休みの古典美学。
一体何の感情模様を描き人生とは万華の無限の色彩が、あの少女には昔の彼方の原風景に存在していて、人間にはほんの少しの努力で花開く、鎮魂的な如意の浄化した死生感が漂っていた。
広大深遠な宇宙での創造の中に確かに本当に私の想念は、今ここに生きて呼吸している。
私の記憶と至練を越えた解脱感に、細胞分裂を起こして解逅している。1つが2つへと認識するかしないかのぎりぎりの模様に、少女はこの世をそれ程まで苦しまなくてはならなかったのです。
あなたの世界の認識している模様を聞かせて、お願いです。
この世を無意識に臨床して、神にお願い事をした意味を、この真剣な意味をはっきりと細胞レベルで呼吸して理解しなくては。
新しい人類の意識に届けて、小宇宙の中の私の静寂な片思いに沈んで、深い安寧な根本のお堂へと、私が知らない、私が生まれようとするその時に、そうそこには神がいたのです。
神は私が生きていた意味を、教会の可憐なシンメトリー模様のステンドグラスにメシアを現した。
この世はもっともっと深い万感たる穏やかな知性に溢れ、もう私は絶唱の昇天イコンを、この御手に全て委ね生きている確かな認識を抱いた。
この耳で御言葉を聞いている。地上に流れる山湖川海のありふれた静寂があった。
私の道筋を通した立派な生命の波動が、この御霊の全てが全て意味を無くして、完全に忘れさられていく。
私の脳が忘れ去られる御体の雫の先に、マリアの細長く柔らかな手があった。
この世で私のしてきた行いは正しかった事を、誰か証明して下さいませんか。
世界はこの恥ずべき私をないがしろにしたのです。
世界はもう遠くに行ってしまった哀しい歌に、人生はこの様に忘れ去られていいのでしょうか。
あなたにお願いをしにきたのは、決して後悔した人生では無かったのです。

この世に意識を与えたのは、一体誰なのですか。私という一人の存在を生かせて頂いた。人生とはそれはそれで良かったのではないかしら。
私が創造したシンメトリー模様の傑作は、完全に後世の人類へとメッセージを送るに至ったのです。
そっと宇宙創成者の設形図に神は惚れこんでしまったのです。
情熱的な人生はとっくに広大な下界を見渡せる高度にまで昇りつめた。
一人の私の人生を後世の人々が知る事はもうとっくに無いのでしょう。
私の中の創造を、私の手により初まりと終わりの人生を描き出してこの世に問う。
生きてきた人生の解答を、やっと神に提出する時が来たのです。
その時に訪れる神の審判によって、私の存在は後世の人類へと届け証明する事ができたのです。
こっそりと言いたい。これで人間として私は認められたのです。

私の存在は意味も無く情緒深いソナタではなかった。そんなにも臆病にはならなくていいのです。
この世に生まれてきてあなたに愛されただけで良かったのです。
そしてこの世であなたに愛された私の創成物のみが残るのです。
そして私はこの世から完全に忘れ去られ、誰もここに生きていた事を知らなくなるのでしょう。
火の玉が飛ぶ創世記の宇宙で、私の居場所を見つけれたのです。
私の限界の意味を教えられて死んでも、作品としてこの世に生きていけるのではないでしょうか。
そして私はこれでこの世に安心して別れを告げる事ができたのです。
さあ、行きましょう。

黙想

黙想

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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