仏像

仏像

宇宙を飛ぶとはどういうことなのか。宇宙は飛ぶようにできているのか。さあ、宇宙を飛ばさなくてはならないのです。
大きく偉大な仏像がそこに存在していた。
周りはほの暗く闇の中に仏像が畏敬の念を持ち、この世ではない感情を抱えて得体の知れない奥に秘めた人間の感情の働きではない、大いなる慈悲の心、救済の心の働きかけをしていた。
この世の闇に光を照らそうと慈れみ深い感情の表情をされている。
薄暗い闇の中でこの世の俗にまみれていない、蓮の花を見る心の奥深い観念は、水々しく清められた内省的な模様の大全。
人間の心の働きの中に全宇宙の流れを許容する、大きな仏様の偉大な清き心の有り方があった。
私の心の働きのちっぽけさを完全に超越した、心身脱落たる高次元から眺めれる仏様の大空。
仏像は永遠の平安と悟りを得られ、何が起ころうとも何にもこだわりがなく、何にもわずわされることのない煩悩を遠くへと離した、宇宙に1つだけの完全なる安定した世界に住み、人間の心の働きを大きく安らかに見守る仏様の心情の大全があった。
その仏像は人間の心の働きが生じる因果を理解し、人間に対して大らかな思いで助ける慈悲の優しさがあった。
その仏像は私をずっと見守ってくれている。仏像に例えようの無い感謝の念を抱いて、ありがとうございますと告げた。
すると仏像は優しく得も言われぬ解脱をして、やわらかい暖かさの中に実存性の無い微笑を浮かばせた。
この仏様の心に守られて、この人生を生きてくることができた、私を超越した生命の宇宙の構成原理を宿した師匠に、感動をして何事にも変えがたい可憐な生命を感じた。
仏像は私に向けてゆっくりと手を指しのべています。
その手の長く細く優しい手つきの仏様の繊細な心の働きを感じた。
仏様はこの世の人間が成し得ない、大きく優しい柔らかな手の曲線を描いていた。
仏様は様々な人間の苦を知り尽くし、人間の感情の働きを感じ尽くして今ここに存在している。
人間の俗世界にこの対面した経験のおかげで仏様の超越性の清らかさを得ることができたのです。仏様はこの世を様々な尺度で実践した肉体と精神に、その生命の揺らめきを朧気に表出している。
仏様は手に取るように私をわかってくださる。大いなる仏様の心により、私の苦しみを感じてくれて、苦しみから幸せへと慈悲の心により移象していった、さらさら流れていく、こだわりがなく、さらさら流れていく。
こんなにも大きな仏像に守られている安心感、私は生きている。あなたがいるから生きていける。仏像が本当に好きなのです。
人生の道場で修行し心から共感できる人生劇場の師匠がいた。
あなたに寄りそっていくわ。仏様の手と触れあう私は高まり、心が無くなっていくような期待感を抱いた。
私にとっては仏様の手を握るこの世で一番嬉しい出来事が起こります。仏様の手は優しくやわらかくそこに存在していないかのような空の存在だった。
体の心の滞りは完全に抜けきり、安らかなご来光のかつて経験したことのない澄み渡った心へと、体全体が変象した。
空が広がり、遠く遠くに青い空が広がっていく、果てしない心の広大さがあった。知ったのです。仏様の大いなる心を知ったのです。
この感覚に泣いた。むせび泣いた。ああ、心に煩悩は完全になくなった。心に煩悩がなくなり、変わりに宇宙の頂点に可憐な創造物が完成した。これまでの心の働きに無駄なんて全く無かったのです。
このようにして宇宙で私は仏像と手をつないでいる。完全に人間としての生命は無になったのです。存在していない。何も感じていない。何も感覚が無くなったのです。
仏像は全人生を肯定をしてくださった。恍惚に浸った。さあ、後光が指してきました。明るく明るく全てを祝福するこの世ではないあの世への解脱していく後光。
全てが全くの無となり未来を明るく明るく照らしている。
仏像は私に「さあ、まっすぐお行きなさい。」と言った。
何の迷いも不安もなく、大きな安心と自尊心を持ち願いの成就へと色即是空になっていく。仏像に見守られながら人生をやっていくのです。

仏像

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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