海

この神の水滴を柔らしくほわりと優しい感触で自然に順応させて同化させる。するとふっとそわりと微笑していった。
宇宙の源での流れの中に、一滴の潤いが沁みる大らかな神の水はさらりと爽やかに循環していく天への薄らいだ憧憬となった。
マリアのこの流れる美しい心に感応して、宇宙の源の心臓は水の量を増して潤していく、天への水流があった。
マリアの流麗な啓示に、天空を飛翔する神鳥はさざ波のようにゆるやかに舞っていく。
飛翔している神鳥は天上の運河のさざ波に同化して、大いなる次元の真の正体にときめいた。和やかに滲みこみ、大心へと還らせる天地の昇天があった。
宇宙のさざ波が波打ち私の心をさらりと駆け抜け、心臓がどくんどくんと脈打つ意味を見出だした。
そこには神の啓示に心がときめく天使がいた。人生に1つの螺旋構造を現実化して遷化していく万能なる神がいた。
宇宙のたった一つの水滴が天の川全体を動かすというのでしょう。
天の川の流れに私の水の流れが同化していく清新さがあった。さあ、三途の川の水を飲み干してあの世へと旅立つのです。
向こうでマリアが朧気に手を振って私に向けて人生で一番可憐な表情をしている。
その意味は水の清らかな蓮の慕情で脈々たる情緒の水面に、私の澄んだ表情のさざ波が波立った。宇宙が始まる、天の川が少しだけぴくっと流れをほんわりと弱め、しっとりと弱々しくトーンを原始宇宙へと遷化していくその小さなさざ波。
そのさざ波にちょっと手を触れてみると広大深遠な宇宙が顔を出しました。
あなたが宇宙の雫が滴る神の水の正体だったのですか。
私にとってその正体とは水が清き美少女のうるわしき儚さでした。
私に散る事を教えないでください。
私に桜の幻影は静寂にただそこにひそやかに存在している。存在はこの世界の1つのさざ波。
私のさざ波は神の優しい手に包まれていく。
マリアの細いしっとりとした手に包まれていく。
この世界に存在しない1つだけの水に浮かび、天上の蓮を眺めてこの神の水にただしっとりと馴染んでいく。馴染んだ後にマリアの手があり、暖かく柔らしく沁みこんでいく。
あなたの本流を知ったのです。私の本流に爽やかな天地を創造したのです。
この純情な想いに人間への大事な愛情を知るのです。私とマリアのさざ波は親しみ合い打ち解けて和らいでいく。
私の和らぎ、あなたにはわかりますか。
本当の原始の海に還っていくのです。原始生物となり細胞の核を握り、その神の柔しさに馴染むほのかに暖かい温もり。この世界に暖かく馴染む総ての遺伝子達よ。
私に、世界の小さな海を知らせて下さい。そして世界のさざ波にやさしく浮かんでいく。
この世界に神のさざ波にしみこんでいく。
さざ波にそっとやさしく触れた。
それは世界の真実の海に爽やかな清新さがあった。
私は、私のままで私のさざ波になっていく。
そっと天上のさざ波を見上げて青空の情景に憧れて天心を捧げる。
私の気持ち、あなたにはわかりますか。私の気持ち、あなたに教えたい。私の気持ち、もうこれでいい。
そして、宇宙の中に真理のさざ波が発生した。私のその気持ちでさざ波にそっとそっとついていく。あなたにもわかってください。
宇宙の深層水に浮かんだ木の葉があった。そっと心に浮かぶマリアがいた。私の事を信じてください。あの美しい子の事をわからせてください。ただ清らかな乙女のさざ波を知りたいのです。
そして全宇宙はたった一つの清純な少女となった。
あなた、わかりますか。私のさざ波を、神の真理のさざ波を。私の海、私だけの水、私のさざ波。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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