マリア

マリア

マリアの音楽により、この世界の不思議な全生命が、みるみるとすくすく成長していく、生命の美しい一筋に心の清新な深い静寂があった。
そこに神の手による生命力の凄まじい供給があり、人生の線は確実に超えていく。
マリアは宇宙の超感覚的な感性で、超次元の音楽をしんみりと強く確かな愛のヒラエルギーと共に、空間に放射していく。
一つの木はマリアの強い想いを受けて、大きく立派な神の木へと見事な御姿に成長いたしました。
その木は大きく技を伸ばして葉を溢れさせて、大地にしっかりと根を張り、宇宙の星々と精霊達に意志疎通をしていく。
意志は宇宙の神の心臓部、その木のコアに精繊な機構のエネルギーを究極に鼓舞していく。
生まれていく生命の粒子達よ、優美な変奏曲の対位法を奏でて、巨大な神々しい虹が出現していく。
木の葉が青空に舞い昇った。細部に宿る精霊は細胞の葉緑素の中へと、遺伝子暗号のコアを教えている。
木の葉がマリアのC音の提示部となって、天上界の精霊のもとにふわっと飛翔していった。
そのc音に続いて植物達が胞子を放ち天上界に一斉に昇天していく、想像を超える天と大地との清新なハーモニーに、物質は超越して存在が無に帰っていく我が故郷。
ほらっ、そう感じていますか。神の木と植物達がマリアの清められた音楽により、昇天していくその流麗な姿にこの世界がうっとりと慈しんでいるのです。
何という母親の愛なの。これは母親としての愛が世界を優しく甘く感性をうっとりと、そう、ほんのりとさせていく。
私は、母親になったのでしょうか。それとも父親になったのでしょうか。一体どちらになればいいのでしょうか。
お母さんが私をじっと見ている。大らかに優しく、暖かく、しっとり、やわらかく、やわらしい感覚の中に心が青空になっていくのです。
青空は青空のままでいいの。
私、青空に甘えさせてください。青空のままでいいの、青空のままで。
一人神の木に全身、全人生を委ねあずける。いとおしいかつてない母性愛の優しさで親心に満ちた親身なる超越。
神の木はマリアの愛を全身で受け止めた。マリアの音楽の形状形態にしっとりと自然に馴染んでいく。
そして神の木は万葉を揺らしてこの世界を超常的に癒した愛のメロディーを奏でるのです。
この時空から遠く遠く古代の、原始小宇宙の単一の神言、それは神の住み処、神の核、宇宙の創造主。
全天は明星の爽やかさで羽根を伸ばしていくその可憐な情景の中に。
何だかこれが、この感覚が、この感触が神の愛だと感じる不思議、私の知らなかった事、慈しみ、愛が。
この世界に、そこに、こんな所に優しく存在していたのです。
私、優しくなれたの。
私の青い天空の精霊が1つの真理を解き放つ。
精霊達に宿る生命の霊は神木を敬虔に礼拝し、原始の生命エネルギーを体内で創っていく。この新物質の可憐なときめきで、生命の内なる全粒子のエネルギーを神の木へと移していった。
そこには青い青い生命の未知なる大海があった。
新物質が生まれたばかりの水々しさにときめき、凛とそこに柔らかく佇んでいる。
私は知っていたの。新しい愛の感覚に充ちた素粒子がこの人間の存在を認識して、かつてない宇宙の新生状態に心はただ気持ち良く安らかにときめく無重力性になった。
私を未知なる存在にした女は天空の青い抜けたマリアでした。
私にはマリアの微笑がわかる時が宇宙の世明けでした。まさに人類への清らかな調べだとわかり、世界にもう1つのマリアを見つけたのです。
ああ、マリアによる音楽の愛の意味に今やっと気付いたのです。
神の木に向かってお祈りをする澄んだ心で美しい整理をしていったのです。

マリア

マリア

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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