天国の階段

天国の階段

あれはいつだったでしょう。私が恋をしていた時代というものは。あの時確かに私は本当に恋をしていたのです。

あなたに恋をさせてくださいませんか。あなたの持っているその不思議に、私も不思議な世界へ行ってしまいそうなの。
これから私とあなたの時代は若返っていくのです。そう夢見る時代に戻っていたのです。

それがあなたの真実だとしたら、私は許しておけるのでしょうか。

そう、あなたが私にそうしたように、私もそうしただけなのです。許してお願いです。許すのなら死んだ方がましだとはそんな事、そのあなたらしさがあなたになっていく。
あなたいかないで。あなたはいかせないのです。
私がそう叫ぶとあなたは私を見てうっすらと微笑して、そっと私に対して何も言わずに1人で出ていった。この世界に私をどのようにして誕生させたのか。あなたの後姿を見て、私は泣けてきました。ありがとうと言って。
あなたは私をおとぎの世界へ連れていく。私はあなたを追い掛けたのです。そうあなたは天国の階段を登っていた。あなた、私も連れていってください。私を連れてって。そうして、この世界が恋の世界になっていくのだわ。それはとても美しいみそらの遠い神様にお祈りしている。
さあ天使が、私達を祝福しています。
私はあなたと一緒に天国へ行くのです。あなたと一緒に行って天使のパンを食べるのです。天国から美しい音楽がふわーっと聞こえてきます。天使が私達をつれていくその幸福感、あなた安心ですね。そして、私達は完全にこの世界から忘れさられたのです。私達は天啓の教えに従い、さあ行くのです。私達にその美しき教えが、なんて暖かく死を受容する安心感。
あなたとなら、私それでいいの。私それでいいんだよ。
私はあなたにおとぎの世界を教えたつもりが、何もわかっていなかった。あなた、天使がまだ天国へ行くべきではないと言っているわ。あなた、私達はまだお呼びがかかっていないらしいわ。あなたのその時、何ともいえない表情をしました。そう、あなたは天国へ行きたかったのね。でもあなたが天国へ行けないのは、神の判断だったのです。あなたはこの世界にまだ意味を与えられているという事なのです。
あなたは死ぬにはまだはやいのです。さあ、この世でなすべき使命を果たしていきましょう。あなたには不思議な魅力がありました。神から愛されて天国の階段を上っていたのですね。でも神は私達を地上への階段を下りていかせた。地上にも天国と同じくらいに、夢に溢れていました。何ていい眺めなのでしょうか。天国の階段でこの世から完全に離れ、またこの世に戻ってくるのです。なんて素晴らしいのこの世。あの世もいいけど、この世もこんなにいいなんて。それを教えて頂いた神になんて言えばいいのかしら。
あなたの顔は輝きに満ちている。あなたの未来は輝くのです。そうなのです。あなたにその存在を、これ程いとおしいと感じた事はないわ。
私は1回死んだのですね。死んでまた地上への階段を降りていく。やはり地球は優しくいとおしかった。そして心は全く新しく生まれ変わっていく。何という安心している。とても爽やかなのです。そして人生を完全にやり直すのです。
私はあなたと途中まで天国の階段を登ってみてよかったわ。1度死んでみて生きている事への感謝、大事さ、尊さがわかってきたのです。ありがとうございます。これからですね。

天国の階段

天国の階段

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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