天体

天体

少女が私の方に来て好きと言った。
ああ、私の頭上には仏様の素粒子が天空をふんわりと飛翔している。天空から私に光り輝く素粒子が降り注ぎ、ふわーっと辺り一面にまばゆく降誕させた。
しんしんと降り注ぐ数多の素粒子が私に生きている意味を教えている。その時まさに仏様の計らいを私に知らせようとしていた。
僧侶達は月夜に青くしんしんと澄んだ心の世界で、超越した無の極限の宇宙にゆったりと座禅をして、そこから輝やく青い地球を見ている。
地球は青く生命感の蒸気を立てて全体がひとつの生命活動をしていた。
それを見ながら私は地球と一体化していく、その気高き人間性の尊厳さを知り、自然の大きな流れに順じた宇宙の遠い波長の調べを奏でる。
地球を見ているとなんて安心するのでしょう。どこまでも心は澄んでいる。何か遠い彼方の時空に還っていった。私は幼い子供となり新たな夢を持って叶えようとする人間の大心を取り戻していた。
何という青春とは憧れる気持ちの大らかさでしょうか。
私は青春時代に戻っていった。完全に母なる地球の母胎の暖かさに、心は逸して故郷に帰っていた。
そして、天空には月が青くしんしんと静寂に居座っていた。何と心が洗われる素直で生まれたままの御姿なのでしょうか。
心は何の計らいもなくあるがままに美しい清らかさを天空に想像して凛と深く感得している。
天体は動き回転して全く自由で広々とした仏様の素性によって無重力化していく。
そして月と地球に私は囲まれてこの世界は、幸福、安穏となって、一心に人生の全体像がくっきりと現れてきました。
私の心と体は仏性のような温かい地球と月に囲まれて、宇宙の広大無辺の中で超越的な天体移動をする一つのお星様となり、仏様の心を法則化していった。
私は一つの星となり自我と意識を持つようになりました。
お星様の心と体を大きな仏様の手が抱き上げて、地球と同じような環境を持った星に変化させようとしている。
するとお月様の地表には陸と海と空が誕生し始めて、青く柔らかいその地球のような御姿へとふわり昇天していく。
そして地球と同じ姿になったお月様は、清らかな心により生まれ変わり新しい誕生を迎えて解逅している。
そう仏様になったのです。
どんなお星様も地球のような美しい星に転生できる、人間の知性では説明できない奇蹟を新たな地平に事象化したのです。
宇宙に宿る仏様の計らいはもの凄いエネルギーを持っていたのです。

お月様ができるのなら私にもできるはずです。
そして私という天体は青い母なる地球のような媒体にみるみると変化していった。
心と体が完全にしんみりと蒼いいとおしさを感じて、仏様の燦然と輝く天体となって銀河を泰然と移動し始めているのです。
何という心は成就して大成した感性の完成なのでしょうか。
これから私は地球のようなきらきらした美しい星となり、そこに住む全生命に夢を与えていくのです。
さあ、星となって人類の仏様になるのです。そして人類は癒されていくのです。

私は隣に並んだ地球とお月様をそっと見ている。ああ、みんなが一緒に輝やき放ち清らかな宇宙に同じ姿で誕生していた。この2つの星と共に私はこれから一緒にやっていこうと思っています。
私は宇宙の中のひとつの星となって人生を往生していく。仏様に見守られながら、究極の時空に大きく飛翔させてみた気持ちはいかがでしょう。
私は私として生まれてきて良かった。地球とお月様は私を澄んだ美しい心で優しく見つめていた。
私は「おはよう」と声を掛けた。
さあ、これから新しい宇宙が始まります。感謝に満ちゆく航海に大きな期待を持ち夢は進んでいく。
地球と月は私に「頑張れよ」と言ってくれた。
私はこれでいける。さあ、いきましょう。

天体

天体

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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