マリア

私を助けて下さい。どうか力をお与え下さい。世界が美しく生まれ変わっていくのです。
人生とは人間の世界なのです。
ここは神殿の大広間に信者が多数集まって、夜空には月が青く輝き明るいみそらの世明けの太陽の上昇を示そうとしている。
神殿は異様な美しさで神々しい光景をほんのりと発して、宙に浮かぶ箱船と化して、宇宙をゆったりと翔けて大航海していく。
宇宙にその存在は唯一のひと際の異次元で、神の誕生を知らせた。信者達は一心にお祈りを唱えて来たるべき神の到来に備える。
この神の啓示は信者の夢の実現に向けて可能な限りの大事象、大次元的な救世主の降誕を叶えようとしている。
夜空に輝く北極星が人生の羅針盤を指し示して、人々の行くべき夢の方向を知らせている。
天体はゆるやかに北極星を中心にして周りやわらかにうっすらと安心している。ああ、ゆったりと体は満ちて安らいでいく。
信者達はマリアに向かって全身全霊の体でお祈りし、この世界の苦の完全なる解脱を願う、究極の平安に安らいでいくために。
マリアはそれに答える事ができるのか。
祭壇上の青い秘する時空にはマリアが佇んでいて、信者達に神の来たるべき到来の満潮の頂点に向けて、心を最大限に集中してお祈りをしていた。
マリアは両手を大きく広げて、信者達に大きな声で詩篇の文言を唱える。
その精神は夜空に澄んで最上に心が研ぎ澄まされた完全に調和された円形の事象。そして祭事を司る神の細胞はマリアの神経に訴えかける。
マリアは心の底からの叫び声で泣いて心の声を表面化して、深く感じた万感の強い気持ちで、神をぐっと強い目で見つめる。
本気の真剣な心の叫びで、至上の救世主の来たるべき時空に向けて心を準備していくのです。
信者達も感極まった表情で泣いていた。
全体に染み渡る奥深い心は神への感謝に溢れて、願いの成就に向けた、究極の全神経の統一へと超越していく。
その場所は異次元で万感の神の感覚を体得する、この世界の不思議な言葉では表現できない領域に、未知なる神の細胞が微かに動いた。
周囲は明るくなり夜空には微かにうっすらと虹が照らす。そこには神妙な夢が架かっているのです。
マリアは心を強く願い祈りを捧げる、心身は究極の神の超越した真理に成就しようと精緻に創造されていく。
神の致来がもうすぐである事をマリアは信者に伝えて、宇宙には超次元の細胞が結合した明星を、大きく高なる分子運動は上昇エネルギーの満潮を迎える、至上の期待感で、ああ、心の絶頂を感じる。
さあ、マリアは大きく両手を広げて神を迎えます。天空の雲から一筋の美しい光が降臨してきました。
ああ、そこに神の御姿がある。この世界の美しさを一心に持ち合わせてうっすらと佇んでいた。
神が時空を超越して存在するその不思議さに、マリアと信者達は感動のあまりに大声をあげて泣き始めた。
この時をどれだけ待ち詫びた事か、どれほど人間は努力してきたのだろうか。
私は神の御姿を生まれて初めて見ている。まばゆい光の中でこの世界は全く明るい新次元の時代を迎えている。
神とマリアは対話している。マリアのその表情は感謝と感動に満ちて全てが解決した。
そして神はマリアと信者達に「救世主は来たのです」と言って、その大きな体は十字架になり両手をふわっと広げたのです。
みんなはこの奇跡の時の為に全人生を経験してきた事を理解した。全人生の苦労が完全に解脱していく。生きている。私は全ての問題が全解脱、全解決したのです。