蓮
我が人生に苦の意味を教えて下さい。
ありがとう、さようなら、すみません。宇宙はそれで完了するのであろうか。
天空に飛翔する蓮の花はなんだか幸せそうに、地球に大きく存在を美しめて創造している。
可憐な蓮の花が宇宙へ満行しようと美しく全方位に拝む大仏の荘厳な世界。
蓮の花は宇宙を優雅に飛翔し太陽の光を受け、生命の細胞活動を優しく営み大空のさらに上空へと無と化している。
あなたは無の存在を知ったのです。
蓮の花は宇宙で大きく伸び伸びと成長していく。人間性の次元を高く上げて徳を積み重ね、生きている存在そのものは大輪の蓮の宇宙になっていく。
仏様は蓮の花を優しくうつろげに見つめている。その表情は無の感情で人生を初めて知り、それを理解しすべての事象を許した人間の御姿だったのです。
「たかが人生ではないか。何をそんなに思い悩むのですか。」「あなたは人生をしっかりと生きているではありませんか。」
仏様は蓮の花を見ておまじないを唱えると、葉根細胞は万物の事象に変わり、分解して伸びていく植物の遣伝子は、ああ自然の動き、さあ成長せよ。
日々変化していくという諸行無常を教えている、その木漏れの時空にふわふわとやわらいでいく植物の体系。
細胞配列は変化し成長し様々な経験を積み、そして大成する意志の強さを見せた。
植物の遣伝子は俗界にまみれる事を全く知らない、植物はただその存在をあるがままに生きている。ただそれだけなのです。
植物には余計な意味の無い、そう煩悩等は全く無いのですから。植物はただただ美しいのです。あなたには存在の意味は何も無くてもいいのです。
蓮の花は私にそっと教える植物の遣伝子は多様性の神掛かった無分別性の寛容さを。
植物はただ真っ直ぐに真っ直ぐに生きている、何の弱音などを言わずに。
全く植物の自由自在に清らかな美しくひたむきな修道女のような精神の可憐さ、それをはっと知る時、その人間離れした純粋性にただただ拝むしかないのです。
蓮の花は私の心の変化に敏感に気づいていたの。
ああ、その時蓮の花は私にその手をそっと伸ばし、私の体にほっと暖かい優しさを伝える。
蓮の手が私の体に触れていく。
その時、蓮の心の宇宙という一心なる無常の感覚は、私の感覚に同調しようとしていく。
未知なる心象媒体の大天空、大遠景、大宇宙の完全に澄んだ心を、私の肉体と精神にさりげなく知らせた。
蓮の心の計り知れない感触は、人間の感情を絶した美しさを備えていた。
この世界は天体移動の動きに同調していき蓮の大らかさが存在する、安心していく大きな癒し。その静かな澄んだ心に我を平安的なやすらかさでゆったりと心身が解脱する。
蓮の枝が私の汚れを取り除き、全く新しい生ま変わった宇宙を誕生させていく。全く爽やかに晴れた涼しい新宇宙が、私の細胞は仏様に変象していく。
私に変化するさざ波が次の新天地へと、植物的感情の温かさと安らぎに無の世界を現実化していく。
蓮は私の心をシンメトリーに完全なる美の構造へと変化し溶けていく。蓮の胎盤にその真理をゆったりと委ねる。仏様が私を澄んで遠くを眺める、安らぎの極限の逸脱した究めて可憐な瞳でふっと微笑する。
時がゆったりとゆったりと溶けるように遅くなり、私は泣いた。全人生の苦しみが全て無くなった事に全てを解脱して泣いた。
大仏は蓮の御姿へと変化し私の細胞を復活させたのです。
この世界が全く澄み始めました。
蓮は大きな期待を抱いてやわらしくほころんだ微笑で私の背中をそっと押した。
これでいける。これでだいじょうぶになりました。
そして宇宙が微笑んでいる。そこに仏様も微笑んでいる。私は仏様に「ありがとうございました」とお礼を言いました。
これからなのです。まだこれからなのです。
蓮