光

丘の上で少女が遠い園を眺めているその視線、宇宙の果てを見つめている。
少女は何という愛らしい表情で、未来に広がる前途洋々の宇宙を大きなときめきと共に精神を澄ましていく。
それは統一場の空への飛翔なのです。
少女は私が救われた丘の上に登るのを感じているのだろうか。少女の存在は青空高く美しい未来になっていた。
少女は可憐な表情でうっとりともたれかれり、さりげなく私をそっと見ていた。
そして私はその少女の大きな目を見つめ返す。
少女はあの世を感覚しているような未知なる異次元の、人間ではない神様に近づいたものだけが許される感情の機微を含んだ、神の微笑をふっとたたえ、私を見つめた。
私は不思議な感覚を感じ、この世界に広がる時空の澄み渡る静けさを感じた。
そして少女は人間離れした速度で両手を十字に大きく広げた。
その肉体のあまりにも不可思議な清心さに、そっと手を合わせて拝んだ。
私は存在が不思議になろうとしていた。
少女は私に「さあ、私の元へ来なさい」と言った。
光り輝く愛のきらめきを感じて、少女の神々しい肉体と精神の元へと距離を近づけた。
少女は夢に満ち溢れんばかりの表情で私を見つめる。
私の体は、熱くなった。何という夢を叶える決心に似た、未来の救いを宿し神様が浄めた創造する遣伝子なのか。
宇宙はすでにその少女の肉体の形状を知っていた。
少女は「さあ」と言って、座禅する石へと案内した。そして2人は共に人間でなくなっていく薄い存在になろうとしていた。
2人は未だ感じた事のない深い精神の集中状態になり、この世とあの世の境界線に行こうとしている。
肉体と精神の細胞運動は活発化し、見事な超越神経を創造させていく。
真っ白な月が天高く輝く。広大な宇宙を天体が移動し神々の端光を照らして天命の予言を伝える。
まず少女は少女自身の未来を予言した。また少女は私の未来をも予言した。そして少女は宇宙の未来を予言した。
未来はときめきに溢れた遣伝子が復活し、光る愛に満ちていく感情は太古の生命本能から成る意志を獲得していく。
少女は言った。「未来を安心しなさい。」「あなたは何の心配もいりません。万事がうまく行くようにできている。」
物語は美しき創造性が脈々と流れる生命を往生していく。
この心の祖先は宇宙の母胎に環ろうとしていくその清々しさ。未来に愛らしい物語が創造されようとしている。
さあ、私の意志が私の未来を創造する。あなたが未知なる大空へそっとやわらかに微笑した。
それを見た時私の未来は全て解脱し、安心がそっと天高く上昇していき、この世から存在を無くしていった。
ふふっと、少女は私を見てか細く笑っている。私は泣いた。
私の心は天命の行方をすでに知っていた。螺旋階段の先には神の存在があった。
少女は私にとっての神だったというのか。この世で神は苦しみを与え、それを乗り越えて超越する事により、宇宙で至上に輝く明光の愛を授けるのです。
神の予言に我が命を救われ、これから生きていけるのです。未来に対する期待は、あなたによって啓示された。
少女との座禅が私の未来を、天上界の純粋な明星に澄んでいく、星々の純情なる心の統一性の安らかさ。
これは何と形容すればいいのでしょうか。このような苦を完全に脱した人間の悟りの感情があったのです。
少女と私はこの世界から無くなったのか。
座禅により私達の存在が完全に無くなり、この世界が完全に無くなった。
私、それは無である。
その次なる時空に、私の未来には神様がいた。ぼんやりと明るみに出た神様がそこに立っていて、うっすらと優しく私を見ている。
私はそっと微笑した。神様は泣いていた。私はそれを見て涙がこぼれてきました。
やっとわかりました。人生はこれで良かったのです。神様は私の全てをわかってくれていたのです。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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