好き

好き

浜辺が夏の陽光に照らされて憧れの模様を描き、そっと心が優しく安心していくのです。
さあ、行きましょう。
子供が砂を寄せ集め山を作って遊ぶ無邪気な天真爛漫の心の動き、あどけなさ、かわいらしさ。それは天が決定した事項である真命題。それが本当の事だったのです。感謝させてください。私には子供がいればと思うのですが、しかしもう子供はいないの。ああ、なんて悲しい。私という時代は終わってしまったのか。
そんな事はありません。私があなたの子供になります。
あなたは堂々と自信を持って下さい。
私があなたの子供になって、あなたを再生させてみせますわ。
そう、私が子供になって、あなたは初めて大人になったのです。あなたはずっと大人の男性になりたかったのですね。あなたを一人前の男にしたのは、私だと言わせてください。あなたはそんな色気のある寛容な心を持ったいい男になっています。
あなたは自分の子供がいない事は何も問題でもありません。
私があなたの問題を全て解決していく。
これから私はあなたの娘としてうまくやれるかしら。私は娘になって、あなたを神様と呼ばせてください。娘になって私、あなたを助けたいんだ。

これから私、大きくなってあなたのお嫁さんになるんだ。
私、あなたの事が大好きなんだもの。私、あなたと一緒になりたいの。あなた、私の事を好きと言ってください。
私、大好きだから、何があってもあなたの事が大好きだから。私を身捨てないでね。私、信じている。私ずっと。
あなたは私を守ってくれたこれまでの恩があるのです。あなた、私はどんな娘になってほしいですか。私、あなたの期待通りの女になります。私、あなたと一緒にいるのが好き。あなたがそっと微笑するのが好き。
あなた、私を抱いて下さい。私、待ってます。
何て嘘よ。そんなの冗談です。でも私、嘘じゃないわよ。
私、本気なんだから。さあ来なさい。私、準備しているわ。何てね。
私はあなたの妻ではなく娘になるのですからね。私を助けてくれたあなたという存在は、私にとって大事な人。
私が娘になってあなたは嬉しいですか。私は嬉しいの。
毎日がときめきどきどきする。そんな事でこの世界で私は美しくなっていく。
あなた、一緒に暮らそうね。あなた、なんだかゆったりしてきたね。
私、今日から御飯を作ります。
あなたの好きなものは何ですか。私、あなたの好物を作ります。私、あなたの喜ぶのを見たいのです。
あなた、私を頼りにしてください。私、あなたに頼られたいの。私、あなたが甘えるところ好き好き。
もう可愛いらしいんだから。私、そんな好きになっちゃいます。わかってるけど好きになっちゃう。
私、どうしようかしら。私を女としてつきあってくれますか、女として。そんな冗談とお思いでしょう。本気です。
私は娘としてではなく嫁としてここにいたいの。あなた、真剣に捉えてください。
あなた、そんな本気だと思ったのですか。それが本気だったら良かったのに。私は、あなたに嘘をつけません。許してね。
ふふっ、本当は私、あなたの娘になりたかったのですわね。ずっとずっとなりたかった。そう、あなたの娘になれて、本当に良かったと思います。とても気持ちが晴れ渡っています。こんな気持ち私はじめて。
私、こんなに飛んでいる。ほらっ、こんなにもう飛んでいます。こうなりたかった。私、今こうなれました。
こんなに成長した私を見てください。私をどう思われますか。私をこんなに愛してくださる。
あなた、好きです。あなた、大好きなの、あなた、あなた、あなた。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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