メシアの誕生
あの契約の丘の上空を見なさい。このあまたのみそらに神様がいるかしら。
丘の上であの方は精霊達と何か話し合いをしている。何のお話しをしているのかしら。何だか私はとっても興味があるのです。
丘の上には期待と憧れの柔らかい光線がふわりふわり満ち溢れていきます。
それはメシアの降誕のこの奇蹟の日が、地球上に準備されているという事なのか。
地球の人間達は精霊達にメシアの出現を予言してもらおうとしていた。
この世界がメシアの降誕に多大な夢を求めて期待されている。その情景は晴れ渡った雲の運行する天空の遠い遠い澄み渡るやわらぎ。
どこまでも続く宇宙の時空のエネルギー状態の結集、臨床精神の深層が広がっていた。
ああ、ほのぼのと希望の祈りを捧げられていく。その御姿は見るもの全てを安らぎの境地へ。
メシアはもう少しで誕生しようとしていますわ。
精霊達がメシアの誕生する場所へ行こうと、ぱーっと天空にふわりと静かに青く飛び巡らし、二重らせんの線状で可憐に飛行していく。
その精神はこの世の完全なる経験則の忘我の遠い彼方のアンドロメダ星雲だった。
我が心は幽体離脱を起こし人間の存在から脱皮して、精霊となってどこまでも飛翔していった。
これから何処に飛翔していき未来はどうなるのでしょう。無為になすがままに時空は進んでいく。こんなにも祝福されたのは初めてです。
浜辺の少女が私達精霊に向けて大きく両手を広げて合図を送っている。その表情は明るい神聖さに満ちていた。
浜辺の少女もふわっと天の羽根をつけて精霊へと華麗に変身して、私達の精霊の二重らせん構造の組織に加わる。
そして精霊達はみんなで歓迎するもてなしの厚さは人間味に溢れる家庭的な団らんであった。
この凄い崇高なエネルギーが天空を大きく包みこみオーロラが立ち現われ、神々しいオリーブ山上に優美なメロディーを奏でた。
宇宙に神掛かりゆくオーロラを優しく手で包み込んだ。私達の飛翔しているオーロラの周りから神の手が大きな存在感で現れていた。
オーロラと神の手は大きく柔らかく人間のあらゆる感情を丸く癒し包み込んだ。
何と美しく清められた感情が流れていく。生まれたばかりの感性が存在して、御体の全知全能の奥ゆかしき記憶が成すミステリアスな世界が現れた。
「あなたは、来ています。」
オーロラの全方位宇宙を拝みながら、そこに神がいる感覚を如実に感じた。オーロラは暖かく心願の究極の到達点へ向けてふわーっと飛翔していく。
このオーロラの上空には、神の体がうっすらと天空までずっと伸びていた。
天空に神の肉体は厚く暖かく堂々と浮かんでいた。
万物の誕生の前の姿がそこにあった。
万物の素粒子が神の知識を宿し含めながら静かに整然と並んでいた。
ほのかに青みがかる神秘は、そこに知性の究極の御姿を提示している正真正銘な青さがあった。
神の心臓部は荘厳な秩序で、整然と知性の蔵が構成されていた。
オーロラの揺らめきから神の手がふわっと姿を現し、私達精霊を大きく包み込む。
この世界が無くなりました。
そして、そこにメシアがいた。静謐な青空に一人昂然と揺らめき存在している。5感感覚が全く無く微かに存在している。何という不思議な存在感なのでしょうか。
さあ、この世界に真理が一つ誕生しました。
メシアがこちらを見ている。私はそっと見つめ返した。
ああ、何という深遠で慈悲深き憐れみの表情をしている。
メシアは真理の言葉を一つ言った。そして、この世界が深い静寂に包まれた。
一人の人間になっていく。一人の人間の内なる細胞の遣伝子が語りはじめた。やっと私の遣伝子は私の遣伝子になったのです。
メシアの誕生