仏様

森の奥ゆかしき美しい滝にひっそりとたたずんでいる。
夜の森に天使がふとこの世界の無常に何を感じるのでしょうか。あなたのふっとしたゆがめる寂しげな表情が好きでした。
あなたのそのときめき、私にそっとそっとください。
私は夜空を静かに存在しているか。していないかの儚げな薄さで飛んでいる。
そんな不思議になった私は恋をしたというのでしょうか。
あなたに恋をしてはいけないとわかっていても、夜空の天空飛行の薄明かりの静謐の中で、その時あなたを探していましたわ。
町の灯りのやわらしさが、この世界を可憐にひらりと青白い天空の羽根が爽やかで素直に舞う。
その純情な放物線上に仏様の青空があるのだとしたら、私は何と答えればいいの。私にその何かを答えさせてはなりません。私、わからないのです。
仏様の解答が青白い夜空を例えようのない美しさで、はっと蓮の花がふわりと飛翔していく。
ああ、清められた夜空で私の前に仏様が表れたのです。仏様の後ろ姿の例えようのない安心感。それは何というしっとりとしなやかな柔らかい肉体。
仏様の後ろをついていけば安心なのです。
仏様は何て何て優しいのでしょう。私のそばで蓮の花が青く流麗な光で放たれて、この世のほのかな幽玄の寂光をやんわりと慈しみ、こちらに来るのです。
私はその可憐な存在に心が逸していき放つわだつみの心身となった。
ほの暗い天空の道を歩いている。仏様は何の苦しみも無い、優しく解き明かされていく人生の真実。
仏様の表情が未来の明光を醸し出してほのぼのと輝やいている。
そして夜明けの明光が仏様の顔を照らしだした。この菩提の悟った時空に感謝の心を抱きます。
仏様がこちらを見てほんのりと天の微笑を向けた。只こんな事で人生の苦を全て取り除いて頂けるなんて、この人はなんて不思議なお方なのでしょう。
仏様の表情は清らかな心情に溢れて、何だかただただ美しくなっていく。あなたとは聖なる何者なのでしょうか。
夜明けの大空には七色の虹が架かり、心願成就された晴れやかな癒しの情感の中に、心は潤いしっとりと体はやわらしくなっていた。
心は何という美しい故郷に回帰して再生していくのでしょう。
私にそんな未知なる不思議さを教えないでください。目映い虹の彼方から天女が空高く飛翔して、こちらを見て愛らしい表情で夢の中をときめいている。
この青い上空に流れ星が一直線に、人間の業を流していく。青い山、青い空はどこまでも清らかに美しくなって続いていく。
その遠い彼方の忘却した宇宙の深層心理に、何か未知なる仏の想像力が宿っています。
仏が一人の少女を天空に一直線の方向性で、真上にふわっと高く飛ばせていく。
あなたはこの世界の人間ではなくなっていく。
そして天空の仏様の前に少女が一人いました。
1人の少女に仏様が奥ゆかしき仏性の思いのままに近寄っていく。
その美しい細く優しい手で蓮を手渡した情け深い表情のお方が少女を見つめていた。
少女は恥ずかしそうに微笑して、静かに仏様の顔をじっと見つめ返した。
少女は蓮の花を受け取ると嬉しそうに両手を広げて、ふわ～っと澄んだ可憐な一心に、仏様の祈りに似た天空の青い表情のままに解脱して、心をしなやかに、肉体は仏様の動きをし始め羽根をどこまでも広げていった。
少女はこんなにも優美な仏様を知り、もう本当の青い鳥の心情を吐露していったのです。
仏様は私に手を指しのべた。
このやわらかい大きな手に、私の心は澄んで優しくなっていくのです。
そうなのです。仏様はこんな私にも手を差し伸べてくださったのです。あなたは何という慈悲深い憐みのお方なのですか。
少女は私の方を優しく柔らかく見つめていた。あなた、優しいの。優しすぎるの。あなたの優しさで、私はこんなにも大きくなりましたわ。
あなたに知らせてあげたかった。あなた、私に知らせて、その大きな慈悲のとっても強い心の意志の輝きを。
私は仏様の手を温かく握ると、仏様の心そのものになっていく。
仏様の心。この一心は清純で青かった。
仏様と少女。あなた方は不思議な関係となったのです。
全宇宙が集中凝縮していた。
あなたは仏様に愛されているに違いありません。あなたはもう仏様ですもの。