スコア

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私は恋をしたのかもしれません。そのあどけない無邪気な表情で、神様と対話するあなたが好きでした。あなた、こちらへ来て下さい。私、待っているから。
あなたは私の方をそっと見て美しい音楽を奏でる不思議で可憐な奥ゆかしき御姿。
完全に脳天が爽やかな宇宙に晴れ渡る、音楽は天の川の流れに身をそのままに、ただ生まれたままの姿に、その全く完全なる誰一人知らない天使の世界へつれていく。
あなたはあの世の天使達に、儚き美声を聞かせ万全の想いで、宇宙の神秘の中にただただ神秘になったあなたへ、極限の愛と共に道連れにしたい。
あなたはその美しいすらりと伸びたやわらしい手で指揮をする音楽が、人間の最も美的イリスを刺激するその中枢神経。完全なる全開で極限なる魂の美人へと、うっすらと伸びていく少女の髪の先は、音楽脳の秘密基地。
その神の脳で少女は音楽を奏でる、その美しく秘めた以心伝心はどのようにつながっているでしょう。
神の脳を初めて体験する少女は、全身で夢ひとすじに実現するときめき、憧れ、そして青春。
神が少女を天の遠くから操っているその魔法に、人生の全てを懸ける覚悟はおありですか。
少女の既成概念が全て取り除かれ、全く天使の不思議な世界へ、あなたはみそらの澄んだ青く天使の祈りの世界へと、無意識に飛翔していくこの感覚。
今までの私は一体何だったのかと、昔の私にふと懐かしみふっと微笑してみる。
少女は不思議な秘め事を知ってしまったのかもしれない。
少女のこんな秘密の世界、それはあなたに恋をしたからでしょうか。それともあなたが私に恋したからでしょうか。
それは神様だけが知っている。
本当は神様がしてくれた事でした。
恋の啓示を与えた神はきっと私の味方、あなたの味方、好きです。
少女は優雅な音楽を奏でて、ふと天空を見上げて愛おしくひとすじに美しく、本当にただ美しく見つめる。
そうしてこの世に私がその少女の音楽の傑物を、スコアに筆記していくのです。
聖なる音楽思考のミューズとなっている可憐な少女の変身に、ああ陶然と見惚れてただ一生懸命にあなたについていく。
あなたを知って、私は神の存在定義を初めて理解できたのです。
私はただ美しくなり息をのむ。この感覚が人類の再定義の確率的進行を予言する。
私の手が神の手になっていく。その神の手が少女の奏でる音の波動を神秘的な快楽と共に筆記していく。
異次元な次元の聴覚となり、全身全霊を使って神に寄り添い心中していくのです。
あなたの音楽とその極限の美しい花の感触に、ただやさしく甘く情熱の限りを尽くして心中できるのなら。その心中に神の意義を見い出す事ができるのではないか。
ああ、心中させて下さい。あなたの実存世界に頂点を迎える、あなたの放心していく音の魂へ。
スコアに汗が飛び散る。スコアが感動で汗みどろになり、ここに頂上決戦を見事に終えた傑物に生命が宿るのです。
生命のあの世への高嶺の美しさ。そこに何という美しすぎる究極の神が描いた波形のラインが存在していた。
ああ、私は泣いた。この神聖なる儀式の後に、傑物スコアという宇宙の深遠を考えつくされた神の思想スコアが残ったのです。
神の天文学的スコアを筆記したあなたの奇蹟に、この人生は果てても、心中しても何の未練もなかった。
人生にはこのような不可思議な意味があるのだとしたら、神が準備した遣伝子の華麗なる劇場に我は気が絶唱していく。
この少女の音楽と心中しようとするのです。私は少女に人事ではない近親性を感じた。
何か申したい事はありますか。神のスコアがただこの世に残された、それが真理。そうたった1つのスコアの真理。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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