この世界

この世界

ここは一体どこなの。ここはどこにいるのか、全くわからなくなってきました。
もうわからなくてもいいのではないでしょうか。
この世の世界を生きているの。あの世の世界を生きているの。私はどちらの世界が好きなのですか。
本当はあの世の世界が好きなのです。あの世は私の安全地帯なのかもしれません。私の安全地帯を紹介したのは、一体誰なの。この深遠な広大無辺の宇宙を招介したのは、一体誰なの。この世界の真理を教えたのは、神なのですか。
あの世の世界にいた昔の私にそっと声を掛けている。その私とは一体今の私なのか、過去の私なのか、未来の私なのか。もうこの世にはいない私なのか。
毎日私は自由自在に不思議な仏の生まれ変わる心で、大河を流れる泡が刻々と形を変化する水玉の模様のように生きている。
こうして諸行無常に一つの体が変化する、この世界の私はなぜ時空間に変化していくのですか。
遣伝子の細胞が時空間を流れゆき変化しているような、ミクロ的に観察していけば変身して変化し続ける、完全変身願望の高い理想を掲げた夢物語なのです。
あの世の私は理想を実現する完全になっていた神々しく頼もしい御姿でした。そしてこの世の私は敬礼をする。人生とはなりたい自分になる事こそが、この世の私の一番憧れた夢なのかもしれません。
うっすらと天空から光が射しこむその風景に、私は生まれ変わりどこまでもどこまでも澄んでいく。私のこの世はあの世に変化し初め、体の遺伝子細胞のスイッチはついに押されたのです。
私のこの世はあの世に変化し始める、この私は今神の動きを見ている。そう、神が動いている。神の動きに、私は何を感じますか。ふふっ、この世の私は神に操作されているのかもしれない。
まさにこれから、この世の私が、あの世の私に変身しようとしているのだわ。
ああ、この世の私は、あの世の私になって夢を一直線に叶えていき、私の世界を一変して私がなりたい世界になりました。
この世界で人類学史上初めて神の動きをするのです。何という不思議な動きなのでしょうか。私は私の体が神の意志で動くのを初めて見て、神の感覚をじわっと感じるのです。
神の感覚とは万物を超越した創造主の知性なのです。ああ、神の動きが私に神とは何なのかを、自問自答させるのです。
神と真摯に対話すると、私の中から神が出現する。静かにふわーっとひらり、何て神はあなただったのですね。神とはそんな凄絶な美しく清らかな心を持っていたのですね。
あの世の神が私を創造して、この世の私が可憐に変身していく。そう、私の中にも今宇宙がまさまざと創造されていく。
木が枝を無限に伸ばし、葉が大きく彼方に広がっていくように、超自然の多種多様な複雑性をものの見事に獲得していった。神とは多様性の複雑な意志の持ち主である事を知るのです。
今夢に見た完全なる万能な意識、知識、肉体、精神を持った神に近い人間として、神の時空を生きる。この変身した私は夢を叶える為に一人直線的に走っている。
あの世へ無限に麗しく高らかにジャンプする私の全細胞。今なら何でもできる。この世で何でもできてしまう私がいた。私も驚く程に過去の私から完全に進化した超越思想がある。これはマタイ受難曲。これこそバッハと私との融合なのです。
知性が暴走する野性的頭脳。そして時が美しく完全に調和し満ちていく、世が明けていった。宇宙が晴れ上がっていく。
これから人生を神と近親関係の人間としてやり直すのです。私はこうして自分の夢を叶えたのです。夢を叶え続けて、次の新しい夢へとまた次へ次へと。私の中にもこんな私がいたのです。あの世の私、ありがとう。

この世界

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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