お経

お経

想う通りに行く人生とはなかったのです。すべてに意味があったのではないか。こうして生きている、なぜなのですか。なぜ、こうして存在しなければならないのですか。
今日はあなたを知る機会が私に訪れました。私はあなたを泣かしてしまったというのか。
仏様に守られている、その時に昇天する。
まばゆく美しめられた不思議なオーロラの世界をふわっと飛んでいる。めくるめくるオーロラの中を美しき爽快な飛行でくぐり抜けて、この世の三途の川を渡り彼岸のあの世へとスピードを上げていく。
そして私はお経を唱えていく。そのお経の美しい音楽の究極的な癒しの宇宙に私の身は全て委ね、万物が解決していくのです。全ての解決をもたらす全ての業を取り除いていく心身に、お経は最も美しい澄んだ存在となり、私は私では無くなりお経になっていく。
お経は細胞の遣伝子を完全に再整理して、新たな感情の気持ち良さを創造していく。
ああ、お経が創造する現場に立ち会っているのです。この美しきお経は誰が書いたのでしょうか。お経を書いた人に説法を受けているのです。その人は美しく存在しているか存在していないかの、無の存在性の薄白い人間であった。
私をこの世ではない得も言われぬ不思議な表情でじっと見ている。不思議な未来になっていく感情に、私の存在が無くなる。私の世界があの世になり、全ての存在が微かに薄くなり遠い全人生が母胎回帰の時を迎えていく。
私は私では無く、お経を書いた人の心に時空は還っていく。お経がそっと大空を美しく美しく飛翔するのを私は見ている。お経が意志を持って大空に全ての事柄を解脱させて飛翔していくその御姿を心から祈ります。
私もそれを祈っていると体が浮いていくなんて、ふわ~っとしていく、私の身体は解脱してふわりふわり浮遊していく。青空に浮かぶお経に近づいていく。私とお経は肩を並べて飛翔していくの。その未来への天空の国に向かって。
お経の御姿は美しくこの世の人々を癒し解脱させていく清新の異次元なる存在に、この世はなんて儚くいとおしいのでしょうか。
お経は私に道案内をしてくれる。お経の教えのままにその通り実践していく。お経は暖かく優しく私を守ってくれました。私を守ってくれるお教は父母のような大らかな目標とすべき存在なのです。
お経の存在の有り処を教えたのは、お経を初めて書いた人でした。
ああ、お経を書いた人が天空を私と一緒に飛翔してくれる。
この世の真理を知った究極の人間としての高みに登りつめた天空の存在。私はその人をさわろうとした。私は手を伸ばしていく、すると仏様は私の手を握ってくれたのです。
仏様は私に語った。だいじょうぶ、安心しなさい、安心しなさい。これからあなたは幸せになります。私はあなたに期待しています。
その時天空の雲間から光が溢れていく。仏様は私の顔を見ながら昇天していくその不思議な癒しに満ちた美しい表情をしていた。
そして、お経が私の体に飛びこんできました。お経を優しく手に取り大事に大事に抱える。
そうなの、仏様はすべてをわかっていたのです。仏様よ、あなたはどこまでも優しいお方。どこまでも。
私はこの世に生まれてきまして、今何という感情なのでしょう。こうして生きてきました。私の存在はこうして存在していたのです。そしてお経はこうして存在している。お経を大事にしていきます。私にとってお経があるから、こうしてここまでいけたの。

お経

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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