天国の海

天国の海

この世界には神がいるのではないでしょうか。私はこうして海を泳いでいるのです。
一人の美しき女性と一緒に、海の青い純粋な生命の太古の暗号を、美しく遣伝子化した、究極のイリスのエキスに浸かっている。
宿命の生命の起源へ、人生の真理と共に遡り、情景の微かな動きに動植物は色めき立つ。
天使は海上の私を優しくじっと見つめていた。
天使のミステリアスな瞳の中に、私は世界創造の神秘を知る覚悟はできていた。
その海にゆったりと寝そべって自然に身を任せて、さあ、何処へ行きましょうか。いいえ、あなたのお好きな所へ。
私にシャワーを降らせる天使の可愛らしいいたずら。天使が世界を明るくして、人生の一筋の光を照らしだす水平線上に、生命の新天地の命題があった。
ねえ、私を天使にしてください。そして、天国へ行く方法を教えて下さい。
私の横を女がひらひらと身体を動かせて泳いでいる。女の肉体の美しい曲線のさらに伸びていくその先に、天国への道筋を暗示している儚げな深層命題の解答があり、全人生を天空へと、重みを外して放り投げた。
そう、そこに神の子はおられるのです。
少女は私にかまってもらいたのでしょう。私の方を見てしきりに水をぱしゃぱしゃと投げかけてくる。その少女のあどけなく澄み渡った美しい生気に溢れる表情。
何て美しい心の揺らめきの、はっと生まれたばかりの赤ちゃんの時代を知った、跡形も無いその存在性の爽やかさ。
清新していくみなぎる叙情の中に、神の存在を知り両手を大きく広げてみる。
少女と二人海で抱き合う、人類のまだ見知らぬ地へと遠い遠い世界にはるばるやってきました。
少女は嬉しそうに優しく声を上げるそのときめきに、ああ、何という私は泣いた。
人生に救いがあるとしたら、少女の海のやわらかく広がっていく安心感なのかもしれない。
安心させるように私を慰めるそのいとおしさが海にしみていく。魂は今生の時を忘れ、ただただ存在を液状化させた。
この海での奇蹟は生命創造の時を迎えようとしている。
天使がずっと私と少女を見ている。そして天使はそっとあの世に向かわせる想像の高みにふんわりと微笑する。
ああ、あなたにはすべてその意味がわかっているのです。もうこの世ではなく天国の海だということを。
天国の海に私達は人間を汚れを全て解脱させて取り除いていく、その先の世界に、新しい清心性があった。
そして、この天国の海から新しい生命が生まれていくのです。
様々な生物の多様性で、万物を宿した生命エキスから誕生していく。そして天空へ向けて浮上していく遣伝子達。目映い誕生の光を発しながら、生命のリリシズムの天才性を各々が主張している。
期待を一心に受けて神の元へと高らかに昇天していく、夢が叶う生物の大いなる存在。
生命達はこれから現世に向けて旅立っていくのです。
私と少女も太古の天国の海から浮上していき、ふわーっと軽さを得た煌めきの美しい存在になった。
何という生きる喜びを一心にして、ときめきと憧れに満ちて神の元に旅立った、その完全なる目標達成への美しいミッション。
現世でも私達は一緒になって結婚しようね。
現世の生物はみんな私達の子供なのね。そうだよ、みんな私達の遣伝子なんだ。
私、現世に行き着いたらあなたを必らず見つけますから。あなたと一緒になるために。
そうして、天上界は美しい光に満ちていく、生命の誕生した、この心は、掛け替えのない夢の存在にただただうっとりとしていった。
現世において、私は想像するのでしょう、天国の海での美しい生活を。

天国の海

天国の海

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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