幼児と母親

幼児と母親

一つの理想にやっと辿り着いたのです。ああ、何という事なのでしょう、私という存在は神様と一緒にいるのです。
月夜が青白く輝やき澄んだ世界で、海の青い一つの故郷を見つめていました。
すると天上から一つの清光が淡く差しのべ、海をやさしく甘く照らしていきます。
何という人々が長年待ちわびた、この世界が真に統一していき整理される人体秩序よ。
そして海が何かきらめいて神の美しく色めいた調べを奏で始めました。
この上ない美しいミュージックが天上界に奏でられ、宇宙が一つの調和した和声を美の方程式化して、端正なシンメトリー構造を組み立てていくの。
その景色、母なる懐かしく甘い調べに人生は回帰していくの。
そして海が天上界に上昇する水の粒子の神々しい輝きに、天使が甘くあどけなく微笑した。
海が清光の原初の元へと、軽やかに青く精神を澄みやかに上昇していく乙女の女心が、君にはわかりますか。
それは天空に昇天していく乙女の可憐なる純情に、この世界は完全に絶唱していく。
地球に初めて陸が出現していく世界の未知なるときめきを、私の深層心理が初めて世界創造の意志を表層した。
そこには神が用意した、美しき世界の青白い水蒸気が逸して上昇していく。
その魅惑の栄光の大地に、1人の美しく可憐な女性が幼児を抱いて立っていた。
その女性の表情は涙を流して泣いていた、なぜ、なぜなのですか。あなたは、泣く必要なんてないのです。だって私がいけないのですから。
その時幼児は母親にそっと優しく小さな手をあててみる。その小さな手に女性は、愛の思情の満ち渡る地平に不思議な虹をかける。
母親と子供はふと天高く青空にかかる美の極限の一筋なる光明に微笑し、晴れ渡る未来が解けていく。そのマリアの美しいやわらしい手に、真が解きはがされていく真理の実情、この世界の奇蹟をもたらした。
子供は手を伸ばして、それを掴もうとしているそのあどけなさに、女性はそれを優しく手助けしようと、幼児を高い高いして「届け。」といった。
それを見た天使が幼児と母親を抱きかかえ、天空に向けてふわーっと上昇していく。
幼児と女性はふんわりふんわり軽やかに身が浮いていく表現方法に、ときめき溢れ願い満ちる微笑をする。
「ふわ~っすごいすごい。」幼児はあどけない可愛らしくはしゃぐ、君がいた。
幼児は世界の創造を託されているとは知らずに。そして、その後に地上からは地球の全生命の粒子が美しく上昇していく、その神の光景に地球が凄絶に絶唱していく。
また天空からは異性なるお天童さまの全生命が降誕していく、その天の光のまばゆくきらめいた神々しい奇跡。
そして天空の全生命と地上の全生命が、この世界が満ち満ち溢れて合体し合唱していく。
もの凄い神の光輝やく超越エネルギー空間が超次元化していくこの神の行事に、感情が頂点へと昇り、更にまた新しい生命が新次元に超新生していく宇宙の生誕祭。
大宇宙の鼓動が始動し初めたのです。
幼児は新生命の超越した神光に手を上げて微笑している。
女性は幼児をぐっと抱きかかえ、この超越した神の光景が輝いた天上を見上げる。
そこには偉大なる神がいてその女性を美しく神々しい表情で眺めた。
女性は意味深い真理をたたえた慈悲の憐れみを宿した眼で神をじっと見つめた。
そして、ふっと力を緩めて、そっと感情を無くした微笑を神に捧げるの。

幼児と母親

幼児と母親

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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