誕生

誕生

少女と一緒に晴れ渡る丘を歩いている。
少女はふとおまじないを唱えるのです。すると丘から水しぶきが急いよく天上へと上がっていく、その爽快な水々しさに心は全く爽やかなになっていく。
体全体で水を浴びながら洗心していく、無邪気にはしゃぐ少女の水は、丘の裾に優しい命の水となり溜まって溢れていく。そして少女は舟船を用意して乗りこみ、私の手を握って一緒に乗らせてくれました。
未来に革命を起こそうと決心したのでしょうか。
少女は生命の水を優しく手ですくう。その生命の水を、私の頭にさっと降り掛けた。
私は少女の厳しく深い真理を備えた美しい眼に、一心に清楚になっていくのです。私も手に水をすくい少女の頭に掛けてやる。
そして私達は新たに生誕したのです。
生命の水は広く満ち渡って平和が生誕の大海に母胎回帰していく。
この生命の大海には原始の生物が優美な構造でひらひらと泳ぎ、生命活動をしている。
その原始の生物は少女の手の中に存在して、進化を神との契約により与えられた。
すると少女の手の平で自由自在に柔軟性を持ち、生物の姿を変化させ、遣伝子は高等な生物にみるみる進化していく、その例えようのない美しく伸びていく形状。
少女の手が生物を復活させている。
そして少女の手の中でうまれたばかりの人間が誕生していった。少女は優しく、柔らしく、あどけないしぐさで大事そうにいたわって手で抱える。
その人間がぴくっと動いた時、マリアの柔らかい表情でうっとりと静かに微笑をした。
少女は人間の子を大事そうに、いたわり愛撫して抱きかかえる。少女はこの幼児を高い高いして広大な天へと、満天の星々が見えるように突き上げた。
なんと幼児はそのまま天空に浮遊していき、ふわふわっと不思議な無重力性を獲得して飛び初めるのです。
私達も幼児を追って一緒にふわっと浮き初めて、全くのこの初体験の中にときめきお互いが笑い合う。
そして幼児は海を見ていた。
おまじないを敬虔に唱えて、生命の海の全生物に進化の系譜を与えている。
生命の母なる海はエネルギーを増幅し満ち満ちていく、これから全生命が誕生する遣伝子の創造があった。
誕生の海は輝やき未知のオーラにほの白くふわっと広がり、全生命体は新しい次元へと、神の時空を獲得していった。
私達は生きている。心と体が生命をみるみると再生していき、幼児の後光を後から追って天にふわふわと浮遊し始めた。
幼児は天命を一心に受けて、目映い光に包まれ天に召されてふわーっと昇っている。
私達も一緒に天の世界に心を完全に解脱し飛翔している。私達は遠く彼方の天へと昇天しています。
そして天国での生活が私達を全て清めていくのです。
生命の原点に立ち環り、生命を身体で感じ、生命の意味を見つめ直す。
私の存在、少女の存在、幼児の存在には、神の関係性の中で、生命が用意した尊い間柄なのです。
何てありがたい心に柔らかく、全ては安らかに無くなっていく。
この神との生活で大事な教えを学び、また現世に私達は還っていくのです。
私達は宇宙の次元を超越して、現世においてまさに超越者になったのです。

誕生

誕生

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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