画家
仏様は何という真理を教えたかったのでしょうか。そして仏様は私に「人生はやりたいようにやりなさい」と言いました。
あの時、見知らぬ山を登って行った。その孤高の山は幽玄なる宇宙に1人ぽつんと、ある不可思議な様想を呈した未知なる神経が、その先その先に追い求めた修行者の達成へと、陽のこだまりに爽やかな朝を告げていた。
「この世にはたくさんの面白い宇宙があるんだよ」と、美しき生い立ちを示し生命の新たな誕生を予感していた。
ここは昔からある修験者の道のりで、仏様との対面を求めて厳しく実践にあたり、道の完成を実現する為に一心に、仏様がこの世に現れる宇宙創成の時をそっと心待ちにしていた。
そして山の奥深くに1つの修行僧の窟を見つけました。何と1人の女性が修行生活をしているという信じがたい現実がそこにあった。
その少女は世にも美しい顔立ちで、それは自然の大らかさで、爽やかに清らかさを全身で表現し描いていく。
何か全く体験したことのない人間の神仏次元に、心の琴線を触れられ、ぽっと恥ずかしくもなり、同時に心が向こうの美しい夢の憧れに満ちた恋心のようなものも感じ、我の心の変化にその体を何か持て余した。
この女性はその場所で生活し、金色にまばゆく輝く大きな曼荼羅を描く。
世にも仏教道を極めた仏陀の厳しさ、美しさ、そして稀に見る清らかさを兼ね備えた御姿を拝む、そして祈ります。
この女性の心は青空のように、どこまでもどこまでも遠く彼方に宇宙の境界まで澄んでいる。
この世は跡かたもなく無くなり、万物のかけらが散らばり、かわりに現実離れした仏様の御姿は安らぎに満ち溢れ、安穏と安寧の清らかな方向性に、心は素直に向いていく。頼りにしてます大きな仏様の寄り処に、私は自信を大きく抱いている。
少女のか細く美しき体が何とも形容しがたい美の結晶を創造する。仏性の時を、さあ、この世に仏様は菩提空間に安心立命する。
少女は私を見て感情が無い慈悲深い微笑をよこした。何かすべての苦しみが解け抜けていく、全身の気の流れを感じほっとして素直に涙が出て泣けてくる。
少女は私を見て、すべてを知り尽くした仏道を乗り超えた平常なる仏様の無の存在感で、表情は無くなりそうな微熱の感触を示して、しくしくと涙を流す。 その一滴の涙が海になったのです。
ああ、私も人生は苦しかったのです。
この時少女が描く金色の曼荼羅の姿絵を見て、心は全くの執着が無くなり、存在は空と化して新たな神経細胞が再生し始めた。
その時そっと私の体に寄り添い、だいじょうぶだよ、ご安心しなさい。
このお経の仏様は誰だかおわかりになりますか。
あなたが来るのが以前からわかっていましたわ。
美しき御姿をしたこの世を超脱した仏様になり、凛とした輝きを発するその曼陀羅の仏様こそが私だったというのです。
まだ私は私の仏性に気づいていない。仏性はこの世に澄み渡り精神の深い感受性を備え初め、生まれたばかりの真の御姿が現れた。
まさにあなたは仏様になっている。
あなたの存在が宇宙の寄り処を得て、ふんわりふわっと浮き初め仏様の感覚を見える形に、この世に現象化させた。
仏様の諸現象が私に現われ、仏様の姿がまさに生きている。
心は自然の偉大さに溶け合い、天空への憧れに逸していく可憐なハーモニーが奏でられる。
さあ、時が満ちて私と少女は、さざ波にフワーッと揺れながら地を離れ浮き始めた。
この奇蹟の時に少女は私を見て、可愛らしい微笑を浮かべ、あどけない心のときめきにはしゃぎ嬉々としている。
体験したことのない無重力状態で、全身全解放の仏様の曼陀羅宇宙に、いてもたってもいられない夢見心地を感じた。
こんなにも今まで仏様が肉体と精神を助けてくれていた。
洞窟を抜けて、大空にもう何も未練もなく、大きな大きな安らぎの宇宙に羽根を伸ばし、体が全宇宙を全身全霊で無に帰寄したのです。
神経は苦しみが全く無くなり、生まれ変わる全細胞の全復活の全生命は全て無に。
ああ、何という私は少女と大空で泣いて喜びあった。
このために生きてこれたんだ。この世でこの悟りの幸福な時のために修行してきたのです。
今は仏様になり全くの澄んだ世界にいますわ。私にはこんなにも天地が創造していたの。
もう一度人生を今日から新しく始める日が来ました。人生はこんなことで生まれ変わり新人類となれます。
本当に人生、すべてに意味がありました、すべて完全に人生の意味を知れました。
少女と全宇宙にこの世に全てが報われ酔い知れた。感謝、感謝、感動。この世は全てが感謝なの。
画家