舞い
天上界の女達は一体何を考えているのだろうか。何を考えるために生きているのか。
神は何て不可思議な考えの持ち主。私にはわからないことがあるのです。
何があなたをそのようにさせるのか。あなたが何を期待していたのかを私だけが知っている。
遠くにマリアの美しい幻影が、細く薄いひっそりと佇んでいるか、いないかのように。
薄明かりの光にうっすらとあの少女は、優しくこちらに向けて微笑みかけたその表情は泣いていた。
この世界をあんなにも解脱した、存在しているようで存在しない、女性の不思議さのひそやかな雫。
「神を求めなければ。ええ、神を求めなければ。」
造物主は軽やかに思いのままに創造行為をみるみると神格化していた。
その少女は神の美意識の真骨頂で核に組み込まれた傑作。
そう、あなたの細胞は神でできている。
この世に造られた少女の流麗な肉体の神格性。天性のその才能の爆発的な如意に溢れる無の働きに私は叫んだ。
少女は陽炎の中の世界にほのぼのとした感情で、立ちこめる白い肌のその清潔性は純白で美しかった。
その少女は私に気付いてこちらにゆっくりと、この世の人間では表現できない速度の神格性を表出しながら、異次元に肉体を動かし蓮の運行の妙技を繰り広げた。
「私をさらってください。御願いいたします。」
周りは一面に砂漠で白砂が舞い上がり日常を人生砂漠と化していた。
私は人生において、その少女の真実の歌を聞いたのです。
少女の歌の優雅さに昇天させた光景が奏でる天上に響くアダージョ。
少女は流れる歌に合わせて手を大きく振り上げてなめらかに添わせる。
大らかな肉体の曲線と広がる地平へのコラボレーションは、人智を超越したあの世への夢想的な絵本になった
古めかしい着物での日本民謡の舞い姿は、そこの時空だけが他とぱっと異なる、人間の内なる本性の古仏主義傾向があった。
少女は民謡をか細く歌いながら神様を連れて一緒に並んで踊っている。
造物主が創造したこの上なく美しい、女性的で白い肌をした清楚に控えめな人間は、この世ではない可憐さを別時空に表現していた。
神様がその少女の歌に合わせて日本舞踊を優雅に舞った。
端整な上品さで優雅な手の曲線。すっと伸びた柔らかく密度の濃いほっそりとした腕のしなやかさ。
この神への奉能の儀式に参加させて頂ける機会を私は与えられました。
2人の可憐な存在に合わせて私は舞を舞う。天上なるみそらのさらなる雲の上の女性と共に、この世の存在を忘れた嬉しさに謳歌する。神格化された夢のさらなる夢の絶唱があった。
この浮き上がる心の高なる事象のひらめきは、体が存在できないくらいの夢心地の極上絵巻でした。
2人の少女が舞いながら、私に美しい瞳で合図を送ってくれる、人への優しく柔らかい、限りのない思いやりに、何だか私は泣けてきました。
2人の少女と同じ調べで私の舞は舞われ、砂漠は甦り土が造物し宇宙が回転し、木々と植物が復活して、新緑が若く健やかに成長していく自然の生命力の力強さを見つめる。
何というこの世界の奇跡なのでしょうか。
大いなる自然の復活に感動した2人の少女は私を見て照れて、ぽっとその幼くあどけない表情をした。
うっとりしたひと時の夢の中は法悦状態になった。
私にもう一度のチャンスを与えてくれた神様からの期待に答えれたのです。
可憐な生命の復活を遂げて創造主のスイッチを探してもらったのです。
神掛かった2人の少女と熱く燃えて頂点へと駆け上がっていく劇場。
「一緒にいきましょう」と神はそっと言った。
私は2人の少女と共にあの世へと華々しく昇天したのです。私は少女と体を抱きあい、その熱い体はスローモーション。その不可思議なまだ体験したことのない快感の迸り。
神の次元を内に宿した人間と一緒になる事ができた私は類い稀なる存在となった。
こんな感情を感じたことはかつて無かった。素晴らしくとても感動しているのです。
さあ、これから私はいつでも神様の次元の時空へといけます。
舞い