片想い

片想い

宇宙の飛び方を教えたのは、あの謎めいた修道女だった。その真実が私をうきうきさせたの。そうなのです。
あなたは雲の上の彼方の修道女。あなたが私に対して「だいじょうぶ」と語ると、私は本当にだいじょうぶになっている。
不思議、あなたは私の未来を予言する奇跡の存在になっている。そう、そのような確信は私だけの存在の内なる宇宙。
憧れの彼方の存在のそのあなたが、私にそんな事をおっしゃってくれるこの現実とは、本当なのでしょうか。
夢にまで見た天空の女性が、私を見つめて心から気遣ってくれる現実とは不可思議なものでした。憧れの女性は、私の思っている以上でした。
すべてが私の想像以上で何事も超越する姿で飛翔し夢中になっていく宇宙の無常があった。天上界に1筋の神様の手が伸びて蓮が結晶化する生命の単純な情景。
気持ちが本当に安らいでいくのがわかる。わかります。私の現実は、もう夢世界の舞台での一筋の安らかな寝顔となった。
すべてが洗い流されていく。こんな世のこんな人生に祝福する、天空の雲上に女性が遠くを見つめる解脱した人生の安住のみそら。
憧れの女性が、私を見つめている。
そんな今ままで存在していなかった心のときめく嬉しさ。未知なる明解な感情を刺激し、そわそわと浮きはじめて上昇して、今にもこの陸から離れるのです。
地球の植物たちは、私の浮遊する軽やかな心を優しく見守っているんだわ。
妙に神様の微笑に見守られ、あの懐かしい時代へと還る少年の大志は、未来の期待感に満ちた創造性を抱いた。

あなたが私を見つめるだけで、そう宇宙が万象の変化を起こし、生命の活動は爽やかさに、そう恋心の予感にうきうきするのです。
あなたは私の心の変化に気付いていますか。私は恋をしてしまったのです。あなたに恋をしてもいいのですか。
恋には、何の準備が必要なの。あなたが今私の存在を知っている。ただそれだけでいい。それだけで私はもう溶けてしまいそうなのです。
ついにあなたは私に惚れてしまったのかしら。予感、この予感、この心のざわめきはどうなっているの。
あなたのしぐさと表情のすべてが神掛かりだった。私の心にかつてない青空が遠く遠くへ広がっていく新たな美しい祈りに満ちた。
恋心をあなただけには知られてはいけないと平静を見せる健気な女心の底力。
どうしてもあなたに色目を使ってしまいます。もうあなたに好きと言ってしまいたい。もっともっともっと好きになっていく。
なぜ好きという感情を神はお造りなったのか。不思議な不思議な世界に連れていかせた神はなんて大きな存在で、心の神妙なしぐさで肉体を優雅に変化させるのでしょう。
不可思議な存在に変身していく、あなたを見て思いました。
ああ、神の子がそこに存在している。そっと私の心は初めて神の存在を知るのです。なんてありがたい。こんなにも待ちわびた子がそこにいてくださる。
メシアは神妙なしぐさで静寂に佇んでいた。
恋とは人生の明るい灯の中で暖かく甘い幻想的で爽やかな神の妙心。
あなたの発するこの世から溶けていく不思議な優しさで夢に包まれる、恋心は人生の明星である神の存在となり安らぎの寧波に身を委ねた。
あなたと呼んでいいですか。あなたと呼ばせて。私の片思いは高嶺の彼岸の青白い神花。
私は、あなたに告白します。それが夢のまた夢の中の無意識に沈んでいった。
私はあなたと結婚できるのです。いいえ、ああ、私は決して結婚することができない人間なのですわ。
自分の自信なんてどうでもよかった。自分の存在なんてどうでもよかった。
でも恋を知ることで初めて人間になれたのです。恋は私の預言通りなの。男心を知る才能を発揮して柔軟性に確率化して的に命中させた。

まさしく恋には、一人の少年を男にする天性。
そして恋には、一人の少女を大人の女にする才能があった。
恋心とは両性具有の結実なのか。なんて興味深いのかしら。
ありがとう。恋よ、感謝します。感謝させてください。片想いの中で夢のままでいさせてください。
いい想いだけをあなたに寄せる。いい想いだけをいい想いのままでずっと。

片想い

片想い

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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