若返り

若返り

あなたの若さが許せなかった。あなたの若さを私にくださることはできませんか。
私がどのようにすれば、あなたの若さをくださるのでしょうか。
そうして、さあ、これから宇宙が成立していく。
宇宙を飛翔する青い事象の平安媒体。何にかしらその感覚は日の出の明星が輝く表層的なおたまじゃくしの生命運動なのです。そして今は地球の周りを自転している、のどかで1人青いみそらに漂流するかもめのように。何かここはとても大きなものに溢れているのです。
ついに私は教会の聖女の美しいコーラスに導かれて、青い星の母なる地球へと安らぎの方向性を見出すのです。
すると地球を背景にして、1人の女性がそれは美しい輝きに満ちた清楚な美体を顕にしていた。
青い地球を背景に女性は両手を大きく広げて、肉体は十字架の格好をしていた。
何かこの世の美しさを一人で完全に表現しようとする、乙女の気高い気品を柔らかく備えている。
私に必要なのは、そして同時に無いのはその気高い気品を纏った生命の若さなのです。
髪が長く伸びて美しくたなびいている。優しくなっていく心の変動を感じ、心はありったけの感動でときめいていた。
その女性はこの世とは思えない感情の未知なる故郷のいとおしさがあり、ふんわりと存在しないかのような感情の機微にさりげなく微笑んだ。
あなたは、一体何者なのですか。
超脱した女性のきらめきは、私にとってそれはもう1つの異次元の広大深遠な感情を持っていました。
宇宙とは時にこのような女性を創り給う神業の驚異の才能による傑作。これはまさに只事ではない才能の傑物だった。
その女性は生きているのか、死んでいるのか全く微動だにしない不思議な魅力でこの世を神格化していた。
女性は時間がたつにつれて若返っているという信じられない事実に気が付いて我を疑った。
身体の各部分が若かれし生命に生まれ変わり、少女へと変身する時空の法脱的な世界に、1つの真実は無常であるという、人間の枠組みの表現を本当に信じた。
身体の形状を自然のおおらかさでまるくして完成させた、異次元の美しいシンメトリカルな肉体は何かしらの生命の啓示をしていた。
少女は私に対してそっと細長く柔らかい手で指さした。少女の持つ未知なる力によって、現実の空間を異次元の神秘な空間へと心身を完全に逸脱させて完治する。何という不可思議な自己の心身の確立なのでしょう。
すると少女はどんどん歳をとっていき不思議で妖艶な大人に変身していきました。なんと少女はほんの束の間に大人の女へと変身しました。
年齢とは人をここまで美しく変身させる地球が自転する物理現象なのかと、私には想像できなかった人の形状のエレガントなリアルさを放射させるに至ったのです。
ああ、そして次は私の心身の年齢がどんどん若返っていく。新しい次世代へと何と私の心身は躍動する若さを獲得していくのです。この若い肉体が私に戻ってくる嬉しさは、感謝という言葉では表現できない。ああ、人間の若さ、若さ、若さに憧れていました。
それがついに実現した生命の不可逆的な法則の神秘性。女性と私とは逆の法則が働いていた。少女が大人の女になると、私が大人の男から少年になりました。
私にとってこの真理は真夏に蝶々が飛び交う美しい一輪のひなげしの無常を意味していたのです。
生命とは歳月を経て確かに変化して移り変わっていく。
そしてめくるめくるその女性は手足が伸びていき2mくらいの背たけになりました。
女性は美しく大きな肉体を私に可憐な優雅さではためかせていた。
何という神に近き人間の優しく穏和な表情をした、不思議な巫女を私は拝むことになったのです。
女性はこの世の様々な感情を乗り超えて巨大な宇宙を獲得していた、神が創った人間の超越した心の不思議な偉大さ。女性の存在に大きな安心感を抱かされて、私は子供になっていく無邪気な許容性。そう私はもう子供になっていってもいいのです。
女性は私に生命の真理を教えようとしていた。私はあなたの子供になっていいですか。あなたに甘えてこの世から無くなっていきたかった。
私にはできるのです。きっと私にもこの世で迸り漲る若さを得ることができる。人間の年齢は老いから若さを取り戻して生まれ変われるのです。
さあ、この変化を許すのです。老いていくのは誰もが経過する生命の論理的な使命感です。老いてもこの女性のような偉大な生命の存在になれる。この美しい存在を世界の頂きにそびえ立たせて人間の祖先のイブとなった。
少女イブは神様になるのです。生命の美しい日の出、世明け、創造の新時代。
私の中にルネサンスが起こったのです。
この時を待っていたのです。この時代に生まれて来て本当に良かったと感じている。
達感して解放的な悦びの創成紀の中の少年アダムと少女イブ。
人間とは変化の可能性を持って決して退化ではなく進化していくのです。私の存在はそのようになっていく。大いなる実りの種を蒔いていく。

若返り

若返り

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-25

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