world end 第一章 始まり
「おぬし、世界を壊してみたくはないか?」
突然の問いかけに、はあ?っと顔を傾ける俺[ロイ・ハザード]は、見たこともないくらい長い髭を生やした爺さんに疑問しかなかった。
「じゃから・・・」
「ちょいまち!!いきなりそんなこと言われても困るって!てかなんで壊すの?普通救わね?」
反論する俺に爺さんは、やれやれといった感じの顔をして質問をしだした。
「名前」
「は?」
「じゃから名前は?」
「ロイ」
「本名は?」
「ロイ・ハザード」
「歳は?」
「16」
「身長、体重は?」
「176、62」
「血液型は?」
「AB」
「星座は?」
止まることを知らない爺さんの質問攻めに俺は逆に聞き返してやった。
「てかなんなんだよさっきから!爺さんこそ何者だよ。」
「わしか・・・わしは・・・そうじゃな、おぬしについてもう一つだけ聞かせてくれぬか?そしたら答えてやろう。」
そう言う爺さんにしかたないと思いつつ答えてやることにした。
「おぬし、長男じゃろ?」
衝撃だった。たった数問の問いかけだけで人のことがわかってしまうものなのか。そう俺は・・・長男じゃなかった・・・悲しくなった。
その事実を爺さんに告げると、爺さんはジト目で俺を見ながら、はよ質問せえといったかんじだった。
「じゃあ爺さんの名前は?」
「言えん」
・・・ん?聞き間違えか?もう一度きいてみた。
「名前は?」
「じゃから言え・・」
「いや、おかしいだろ!なんで俺は答えたのに爺さんは答えないんだよ!」
「ふう、今は、と言っておこうかの。いずれ話す。その時まで待っておれ。」
普通ならば納得しないであろうその答えに、なぜか俺は納得してしまった。と、言うよりは納得せざるをえないかんじだった。
「わかったよ。じゃあ本題ね。なんで世界を壊すの?救えばいいじゃん。」
軽く言った俺に対し、爺さんは呆れたように話はじめた。
「いいか小僧。これから話すことをよく頭に叩き込め。質問は後から答えられる範囲で答えてやるから話終わるまで黙っておれ。」
俺は無言で頷いた。
「よし。じゃあまずなぜ世界を壊すのか。ここから話をしようかのう。」
爺さんは目を閉じ話はじめた。
world end 第一章 始まり