屍者の手記
これは、僕の友人から送られてきた手紙を友人の意思により、原典のまま掲載したものであり、一切の事実確認はありません。故に彼について追求するのは自由ですが、何かしら異常を来たしたとしても責任は全くとれません。ご了承ください。
―それきり僕の姿は誰にも捉えられないものになった。
僕は文字の海が好きだ。
リアルの海はさておき。
水面とは、時として身を砕く。
高いとこってのは、怖いものだ。……下まで急降下出来るし、風に吹き晒されるからな。
崖っぷちも同時に恐ろしい。
すぐ落ちるし、って高い所も同じか……可笑しいな、いつだって。似たものってのは、いつだって相反して見えてるのに。
苦しみからの唯一無二の解消法であって、同時に人生の機転ともなりうる。
……実際それで何か変わるかって。そんなこと誰しもわかるまい。
波のように苦しみを広げ、やがて忘却に至る。
多分視点者からしてみると楽にも取れる行為は、時に人を苦しみへ突き落とす。
……皆が絶対と思う相対で生きてるからこんなことはざらだけど。
人は統制を好む生き物で、故に人間が優れたものと思い込む。……溜息の出る話だけど、少なからず気づいた人もいるとは思いたい。そんなに愚かしく生きている僕は、溺れたい。……なんでもいい。支配される狂気を知りたかった。
そこで水を用いたけど、狂気も喉元過ぎれば何とやら。
……むしろ何も感じなくなる。
意識も何もなく、物へと成り果てる。
とある文典でそれはとんでもない快楽とは見たが、誰もそんなこと分かるまい。……技術の進歩で、擬似的な死(それ)を経験できるならまだしも。
しかしそれはなんの意味もなさない。それの価値が堕落してしまう。非常に困りものだ。
通過点を増やしても、それの面白味が一切消え失せるのみ。メディアなどで取り上げられ議論の的にでもなるだろうか。
経験論は大切だけども、未知の事象だって必要だ。それについて議論するのは非常に楽しいことだ。
屍者の手記
……はい。お楽しみいただけたでしょうか?
この作品は、全くのフィクションです。
……その僕の友人はいますが。
まあ、深読みしても何かわからないのかも知れませんね。真意は闇の中。
こういう意味不明な短編掲載していくので、宜しくお願い致します。