花の名前

花は、色があるけれど、咲いては枯れて咲いては枯れて。
咲いては枯れて咲いては枯れて。
そんな人生に、黙々と時間を費やして。
1日の大半は、ただ突っ立っているだけで。
風に揺られたり、太陽の光にさらされたり。
文句も言えず。
口がないから、言葉を作れないから。
ただ、黙々と時間が流れるのを待って。
咲いたら、嬉しくて。けれど、そのまま永遠に
花を咲かせることはできなくて。
枯れることを知っていて尚、
花を咲かせることも止めることも自由にはできず。
ただ拘束されている生命に身を寄せる。
何も言えなくて。自由なんてありもしないけれど。
命を捨てることも制限されているから。
ただ、今が苦しい、と今が苦しいと
嘆き悲しむばかりでは
綺麗に咲くことも叶わず。
自分の意思は関係なく、ただ天の思うが儘に、
花は生かされて枯れて種が落ちて、また咲く。
秩序でつくられたサークルを、ただ忠実に守る
花が良いか、人間がいいか。
秩序によって歪に作られた人間がいいか
シンプルな原理がいいか。


どっちにしろ、もう生まれてしまったのだから、仕方がない。
明日も嵐のような日々を生きよう。
そして、死のうが生きようが
元から授けられた命なので、何も言わず受け止めよう。

花の名前

花の名前

詩です。 意味が深いのか、浅いのか判断がつけかねます。 読んで頂ければ、幸いです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-25

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