柳暗花明



今日の桜の散り際
美事に舞い上がり
微風に誘われ
優しくも儚く舞い落ちる

何時の日かの貴方を
思い出しては頬を伝う滴
又この場所で逢おうと
誓った春が終りを告げる

悲しい悲しいと貴方を乞う
現れる筈も無いのに
貴方の面影を捜し
悲嘆の声を叫び続ける

夕焼に染る私と
同じ空の下の何処かに居る貴方
如何してこんなにも
近くて遠いのでしょうか?

何千輪と咲き乱れる大樹の下
掌と掌を絡ませ
接吻を交わした事さえも
忘れなければならないのですか?

風化されゆく貴方の記憶
蝕まれる小春日和の想い出
消えないで、消えないで、
消えないで、消えないで、

今日の桜の散り際
美事に舞い上がり
微風に誘われ
優しくも儚く舞い落ちる

月夜に照らされ
淡い光となり落ちゆく花弁
今宵私も貴方の元へと
誓った場所で天を見上げる

柳暗花明

惹かれた四字熟語から詩を考えてみました。こういう題材の仕方は始めてだったけど楽しかったのでまたやってみようかなと思います。

柳暗花明

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-24

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