幸福という名の罠

幸福とは何かを考えさせるお話ですねぇーーー。

僕は大人には見えていない。なぜなら、僕を信じていないから。逆に、純粋な心故に子供には僕が見える。
 僕が両手を広げれば、あなたたちは寄ってくるでしょう。そして、あなたたちの未来は一転する。
 人は僕になるために生きている。もし、心も体も僕で一杯に満たされたらあなたたちは働きますか? 
 今の世の中、人と人との争い。罪の無い人たちが殺され、子供たちは食料が無い故に飢えに死んでいく。貧しい人々と裕福な人々。戦地で戦う兵隊とそれを客観的にとらえる人々。
 日本の俳人、渡辺白泉がこんな句を残している。

 戦争が廊下の奥に立つてゐた

 この句は、廊下の奥というささやかな日常生活に、戦争という巨大な現実は容赦なく進入してくる、という意味が込められている。
 他にも便利だから、効率をよくするためと自然を破壊し、地球を蝕む。気づいたことには手をくれで取り返しが付かない。
 しかし、調和と平和を求める。
 あなたたちに僕は必要だ。
 僕が少し手を貸すだけで、あなたたちは幸せになる。幸せが故に何もしなくなる。何もしなくても、満足。働かなくても、満足。食べなくても、満足。
 物資の生産は止まり、都市機能は麻痺する一方。それを、克服しようともしなければ、目をそむけようともしない。なにせ幸福だから。
 この世界に僕は必要なのだろうか? 僕はただ、あなたたちを幸せにしたいだけ。幸せになるのに躊躇いはいらない。どんな迷いも、疑問も、願いも全て消えてなくなる。
 僕の名は人を幸せにする「幸福」

幸福という名の罠

幸福は今の世界に必要なのか、それとも不必要なのか、考えていただけたでしょうか?
人の価値観はいろいろなので、こんなので考えられないという人もいることでしょう
次回作も頑張ります!

~kamihatehamika~

幸福という名の罠

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-24

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