ロミオとジュリエット

むっち・・・ロミオ
コゲ犬・・・ジュリエット
vip店長・・・らむだーじゃんの友達
らむだーじゃん・・・神父兼魔法使い
ふぁねる・・・コゲ犬の友達

とあるお屋敷ー
「ちょっとねるたん!!何でそんなに強いんだよ!!」
「うっさいなーコゲたんはーw」
言い争い(?)をしているのはこの家の跡取り・コゲ犬と客人のふぁねるである。
「そう言えば今日はお隣で舞踏会があるけどコゲたん行かない?」
「行きたいけど、父さんが・・・」
今晩舞踏会が開かれる家はコゲ犬の家とはライバル同士なのである。しかし、お祭り大好きなコゲ犬は行きたくてしょうがないのである。
「俺と行こうよ」
「うん・・・」
ふぁねるの誘いに乗ったコゲ犬だった。



その晩ー
「コゲたん、こんなトコにいたの?」
「うん、ちょっと疲れて」
「中、楽しいけど行かない?」
「ここで休んでる。」
「そっか・・・」
舞踏会へと戻っていくふぁねる。その姿を見送りながらため息をつくコゲ犬。
「(言えるワケない・・・この家の跡取りに恋しちゃったなんて・・・!!まず、男に恋するってどういうこと!?ああ!もう!」
心の中で葛藤するコゲ犬。それを陰から見る男が一人。
「変わってないなコゲは」
男は不敵に微笑んで闇に消えた。この男がコゲ犬の恋した相手だった。


舞踏会から一週間ほどたったある日。
コゲ犬は裏庭で日向ぼっこをしていた。突然茂みの奥から音が聞こえる。
「!?」
身構えるコゲ犬。すると、茂みから男が出てくる。
「ケホッいってー」
そう、その男こそ、コゲ犬が舞踏会で恋に落ちた男
「むっち・・・」
隣の家の跡取り・むっちである。
「どうやって入った!!」
コゲ犬が声を荒げる。例え好きでも仮にも二人はライバルなのだ。それも良い関係のライバルではないライバル。
「どうって、塀に穴開けて?」
おどけるむっち。
「ここには入ってくんなって言っただろ!!」
その昔の出来事を思いだしキツい言葉を言うコゲ犬。
「まぁ、落ち着けって。今日は話があって来たんだ。」
「話?」
「そう、コゲ・・・お前が好きだ。」
「は?」
状況が呑み込めないコゲ犬。
「だから、好きだって言ってんの」
「え?イヤ、待て、お前。ライバル同士だし、そもそも男同士だし。」
まあ、俺もそんなこと言えないか、なんて心で思うコゲ犬。
「そんなの関係ない。」
むっちがコゲ犬を抱き締める。
「ずっと、一緒に遊んでた頃からコゲが好きだった。俺と付き合って。」
「・・・・・・・それ、本気?」
「うん」
「・・・・・・・俺もむっちが好き。」
「知ってる」
「なんで知ってんだよ!!」
「顔に書いてる。」
「嘘だ!」
「うん、嘘。」
むっちに抱き締められたまま暴れるコゲ犬。
「俺が好きって言ったとき、嬉しそうな顔したから。」
「してねぇよ!!」
「はいはい、今日はもう行かなきゃ。じゃあね、コゲ」
「あっ・・・・」
「また、ここに来るよ」
「うん。」
てか、なんぞ?この展開、そう思いながらお屋敷に戻っていくコゲ犬だっ
た。



むっちとコゲ犬が付き合い始めて一ヶ月ほど経ったある日。
「なぁ、コゲ」
「なんぞやー?」
「今日、夜来るから」
「ああ、うん。・・・・・ってえええええ!?無理だろ!!」
「大丈夫だから」
むっちの強い瞳に見つめられて何も言えなくなるコゲ犬だった。

ーその晩ー
コンコン
コゲ犬の部屋のテラスに面した窓から音がする。
「むっち?」
コゲ犬がそっと窓を開けて外を覗くとテラスの向かいの木に立っているむっちの姿が見える。むっちがテラスの前まで伸びた枝をつたいテラスへ飛び移ってくる。
「ほら、簡単」
手をヒラヒラさせておどけるむっち。そんなむっちに笑みを溢しながら部屋に入るように促す。
コゲ犬が部屋の窓を閉めるや否やコゲ犬を抱きしめる。
「はぁ、スッゲードキドキしてる。」
「俺もドキドキしてきたー」
コゲ犬とむっちが顔を見合わせ笑う。

二人が楽しい時間を過ごしていたときだった。
「コゲ犬、この件なんだが・・・」
「「!!」」
「!!!貴様ら何をしている!!なぜお前がここにいるんだ!!」
そう、コゲ犬の父が入ってきたのだ。コゲ犬の父はむっちを指さし声を荒げる。
「お前ら、この者を連れ出せ!!」
そう、叫ぶと幾人かの使用人がむっちを取り押さえられ、連れていく。
「むっちぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
コゲ犬が叫ぶも、むっちは大した抵抗もせず連れられていく。最後に決意を込めた瞳をコゲ犬に向けて・・・。



父に関係かバレ、むっちとの接触を一切禁止されたコゲ犬は食事もまともに摂らず一週間を過ごしていた。毎晩毎晩テラスに出てむっちの家を見て、「どうして、お前はむっちなんだ」と嘆いていた、そんなある日の夜。

「むっち・・・」
コゲ犬がむっちを想いもう何度目かわからない涙を流す。その目は泣きすぎて腫れているほどだ。
コンコン
突然窓の外から音が聞こえる。
コゲ犬が飛び起き、テラスへ出てみるとあの日と同じ様に向かいの木にむっちがいる。
「むっち・・・!!」
コゲ犬が泣きそうになる。むっちがベランダへ飛び移りコゲ犬を抱き締める。
「コゲ・・・会いたかった・・・」
「俺も・・・!!」
「この一週間、家を捨てる準備をしていた。充分な資金と遠く離れた教会の裏の家。そこの神父は俺の友達だ。コゲ、お前に家を捨ててほしい。」
「・・・・・・・」
あまりの急な展開に絶句するコゲ犬。
「早く決めてほしい。」
「・・・きっと俺たちは結ばれちゃいけない運命なんだよ」
「!!」
「でも、そんな運命壊してしまえ!」
「ははっ、コゲは言うことが違うわ(苦笑)」
「行こう、むっち。」
「おう、準備はできてんの?」
「この身一つで上等だ!」
「じゃあ、行くか。」
そうしてむっちとコゲ犬は家を飛び出た。



そして、遠く離れた村で幸せに暮らしていた。そんなある日のこと。
「むっちが帰ってこない・・・・」
一人の家でぼそりと呟くコゲ犬。むっちが昼に出掛けたきり帰ってこないのだ。
「コゲさん?入るよ?」
そう一声かけて入ってきたのはvip店長だった。
vip店長は教会の神父の友達である。vip店長もまた信用できる人物なのだ。vip店長は温厚な性格でとてもフレンドリー。しかし、ブルマをこよなく愛すという変態的な面もある。村人には“店長”と親しまれている。
「らむくんが、明日になったら情報が入るだろうって。」
らむくんとは教会の神父、らむだーじゃんのことである。
「おう、ありがとう店長」
「イエイエ」
笑う店長。
「ねぇ、コゲさん、ブルマ履かない?(キラキラー」
「え?履かないから!!目ぇキラキラさせたって履かないから!!」
いきなりの店長な発言だがコゲ犬の気が少しでも紛れたのは事実だった。


次の日の朝
「コゲさん!!」
大声を出して飛び込んできたのはvip店長だった。
「ん?」
「さっき・・・村の人が来て・・・昨日むっちが連れ去られたって・・・・!」
「!!」
「コゲさんに伝言頼まれてたみたいで・・・”逃げろ、すぐに帰る“って・・・!!」
息も切れ切れ伝えるvip店長
「逃げろってどこへ!?どうやって!?」
「そう言うと思ってこっちで準備してきたよ」
そう言って入ってきたのはらむだーじゃんだった。
「コゲさん、信じられないと思うけど聞いて。らむくんは・・・魔法使いなんだ。」
「!!」
vip店長のあまりの非現実的な発言に言葉を失ってしまうコゲ犬。
「今は信じてこの薬を飲んでほしい。この薬は一時的に仮死状態になることができる。これを飲んで、この家の裏にある森の奥深くへ隠す。そして俺たちはむっちが帰ってきたらその場所を教え二人が出てくるまで、俺たちはそこへ近づかない。」
そう言って赤い液体の入った小瓶を差し出すらむだーじゃん。
「・・・・わかった。」
状況を言葉の意味をしっかり把握し、意を決し、薬を飲んだ。
そしてコゲ犬は意識を手放した。



「シスターの話だとこの辺なんだけど・・・」
むっちが草木をかき分け森の深くへ入っていく。
その日に仕事が入ったらむだーじゃんとvip店長はシスターに伝言を頼んだのだ。「もし、むっちが来たらコゲ犬は森の中心部にいると伝えてくれ」と。それが最後の悲劇の幕を引くことになるとは知らずに・・・。


ズンズン進みついに森の中心部へと辿り着いたむっち。
しかし、そこにあるのはコゲ犬の姿ではなく、棺桶だった。
「棺桶・・・・?」
不審に思いながらそっと棺桶の蓋を開ける。
そこには仮死状態のコゲ犬の姿が。
「!!なんでコゲが・・・・?」
驚きを隠せないむっち。当たり前だろう。最愛の人が目を閉じ横たわっているのだから。それも棺桶の中に。冷静さも失ってしまうだろう。何も知らないむっちはパニックを起こす。コゲ犬の心臓部に手を当てて動いていないことを確認する。
「コゲ・・・・取り戻した地位も富も、お前が居ないんじゃ意味がないじゃないか・・・」
むっちはそう呟いて、剣に手をかけ、自らの心臓を一突きにした。
「バイバイ、コゲ・・・・」
最後にそう呟いて・・・


とても優しい匂いに鼻をつかれ目を覚ますコゲ犬。
「ここは・・・?」
起き上がるとそこは森の中。状況を把握したコゲ犬が目にしたのは・・・
「むっち!!」
最愛の人・むっちの骸だった。
「なんで、なんで、血ぃ出てんだよ・・・。なんで目ぇ閉じてんだよ・・・。返事しろよ。なぁ、むっち・・・帰ってくるって・・・言ったのに・・・」
涙を流すコゲ犬。そしてむっちの心臓に突き刺さる剣を手に取り自分の心臓部に当てる。
「お前のいない世界はつまんないよ。ありがとう、むっち」
最後にそう呟いて、心臓をついた。



これが二人の恋の結末だった。
やはり、運命は変えられないのか・・・・しかし、愛に勝るものはないのかもしれない。二人は最後まで寄り添い愛し合っていた・・・・



ーENDー

ロミオとジュリエット

最後まで読んでくださってありがとうございました!
はい、原作崩壊、キャラ崩壊、すみません!
書いてて楽しかった!!

よし、次も頑張る!!

この小説は歌い手本人様には全く関係ありません。作者の勝手な妄想によって作られております。ご了承ください。

ロミオとジュリエット

むっち×コゲ犬です。 らむだーじゃんやvip店長、ふぁねるも出てきます。 ※むっち様コゲ犬様らむだーじゃん様vip店長様ふぁねる様には全く関係ありません。これは作者の勝手な妄想により作られております。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-24

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