形見草

形見草

  



   



   



   



   



   



 
わたしを見かけた




通り過ぎることのできない今が

通り過ぎてきたそれまでよりも

一番確かな灯火かもしれなかった




これほどさびしい夜にこそ

少しだけやさしげなわたしをみる




遠い日々から一番希い続けたもの

唐突な終わりに残してくれたもの




これは

一番かなしい幸せだったのかもしれなかった
  



   



   



   



   



   



 

形見草

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形見草

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-06

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