終夕

今一つの感情さえ
忘れようとしていた
今沈む夕焼けは
僕には鮮やかすぎた

吸うだけ吸って
吐き出さないで
息切れしていた
青い地球を蹴って
無いものねだりもしないで
現実を冷めた目で見ていた

僕は 僕は あれから
何か変われたとしたら
これまで 今 これから
何が違って見えるのだろう
儚く 冷たく 流れる
川の中に居るとしたら
どこまで 今 ここから
進むことが出来るのだろう

もう一つの辛抱からさえ
逃げようとしていた
もういいよって君の言葉は
僕には優しすぎた

捨てるだけ捨てて
何も残らないで
涙を流していた
赤い太陽を睨んで
神様頼みもしないで
夢を切ない目で見ていた

僕が 僕が 世界に
一人だけだとしたら
自分らしく生きる以外の
生き方なんて無いのだろう
儚く 切なく 吹く
風の中に居るとしたら
どこまで 今 ここから
行くことが出来るのだろう

終夕

終夕

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-04

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