泣けないほどの寂しさなのです

泣けないほどの寂しさなのです

短歌十首。

  



   



   



   



   



   



 

ひとをなぞる

淵に添いながら まどろんだまま 

       見つけられないように




「おまえの言ったかけがえがないってのはこんな人生でもいいのか?」




ただひとりに

消えゆくように祈った

飲みほす前のコーヒーの底




すこしだけ気分がいい

楽に生きる

おまえが願った

楽に生きる




おまえをかけめぐりゆく  おまえからの生死   おまえを歌える遺跡




永い眠りへ 一番やさしいわたしで おやすみを灯したその日




傷ついたいま

編んでゆく

懐かしく古びて傷ついた道すじで




ありがとうね

たとえどちらが先に 眠りへと たどり着いたのだとしても




かけがえのない

一つ

夜

おちる

泣けないほどの寂しさなのです




「ごめんね」より

「ありがとう」を

「さよなら」じゃなく

「おやすみ」を


             歌えるように
  



   



   



   



   



   



 

泣けないほどの寂しさなのです

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泣けないほどの寂しさなのです

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-04

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