モグラステーション

ガリガリガリ、
がっ
「あっ、いけねえツメがかけた、これはミミズかと思いきや、ワイヤーだ」
(よし、いまからモグラステーションにこのごみを捨てにいこう)
モグラステーションは、まるで人間のつくる都市と正反対の形で、真下に伸びる住宅や、商業施設、ビルなどの建造物がありました、
田舎モグラのタイゾーは、まだそこに住む資金をもちませんでした、しかし資源が必要なのはモグラステーションも同じです、ワイヤーをもっていけば、きっとお金と交換してくれるでしょう、モグラステーションに向かうと、ごみ処理場とリサイクル場があり、タイゾーはリサイクル場の受付のスイッチをおしました、シャッターの音がしました、ガラガラガラガラ
受付のお嬢さんモグラが後ろ向きに応答します。
「こんにちは、リサイクル品ですか?」
「あのー、タイゾーといいます、このワイヤーを地上付近でみつけたんだが」
「身分証明ができそうなものは?」
「あ、ああ、」
タイゾーは形見のペンダントと人間の土地の住所を教えました、
「わかりました、少々お待ちください」
シャッターがまたしまり、ごにょごにょ奥で話ているようです。
次にニコニコ顔で顔を出した人は、別人の手慣れた上司のような初老の男性モグラで、さかさまのまま、引き取り料金をくれました。

タイゾーは急いで自宅のさかさまハウスに戻ろうと、さっき欠けた右の小指のツメのことなど気にせず、ごりごりがりがり地中を快速ですすみます。
「あっ」
どうしたのでしょう、地上付近を通ると近道ができるので、できるだけギリギリをはしっていたのですが、そのせいで、思わず地上付近に右腕がつきだしてしまいました、顔をだしたモグラタイゾーは、またもや自分の右のツメが少し欠けた事にきづきました。何者かの足にふれたらしいのです、みると人間の足の形をしていましたが、銀色でピカピカに光っています。
「あっ、いけねえ、だけど、人間の足じゃないのか……お、人間がかかえられていくぞ、アンドロイドの足だ」
地上世界では、人間たちが機械に世話をされながら、生活していました。

モグラステーション

モグラステーション

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-31

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