わびしい わたしを ひろう
短歌十首。
「リルはまだ戻れるよ、でもあたし、戻らない、リルがいてくれる」
遠く
求めず、一日ずつ、迷うどこかは、木枯らしを越えた桜の下
「語りたいの、元気だった頃のあたしを」
幾度も絶やせない、紫煙
薄く
灯
わたしがわたしを絞りきって絞りきって なお惑う
夜
彷徨の花弁
さよならが人生なのかもしれない
春の疼き
花弁の舞
語ることなく うすれていく
なつかしい 苦しみさえも
よびかける
むこうから風の音色
とぼとぼ
わびしいわたしを
ひろう
食べる
ほそぼそと 向精神薬
横切る記憶に もう名前なく
なにもかもが堕ちるように煙草
きっと背中は
滑る記憶の骨
Depression is small blue of you,
maybe,
always.
わびしい わたしを ひろう
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