冒険者の手記

yumieisuke

私には超えられない先輩がいる、同じ冒険家パーティのメンバーだ。
なんでもできる先輩であり、私のもっともあこがれるパーティのリーダーの大親友。

「先にモノマネをしても得に成果はえられない、お前、本当にあいつにあこがれてるのか?」

戦士クラス、奇術師“マジシャン”の先輩に、お前は形から入るが、それではだめだとさんざん言われた、が、私は何をやるにもまず形から入らなくてはいけない、たちだ。

 
 私たちはしばらくの間アカカ村に滞在していた。村は小型のモンスターの襲撃にへきえきしているといい、しばらく世話になるかわりに、モンスターの駆除もまかされている。
まず第一にアカカ村の外側でスライムにであった。私はもともとゴリゴリの上位魔法“サラマンダーの火球”をつかった。四大精霊の名を関したその呼び名通り、精霊と心を通わすものにしか扱えない、そして私はそれを、自パーティの真正面に落として、パーティの皆さんの反感を買ったのだった。
あ、ちなみに赤髪の短髪、かみのけはとげとげしていて、筋肉はそこそこついているが美少女だ。
皆は一度この村でパーティ全体のレベルアップを狙った、だが私は、私の戦闘スタイルに飽き飽きしていたし、なんというか、工夫も進歩もないと
人間、腐ってしまうのかもしれない、いや、本当のことをいうと、その時期、女性としての自分と、このクラスの相性について考え始めていたのだ。

“お前、魔法使い系クラスむいてないから、下手に魔法つかわないほうがいいよ”

 それもそのはず、私のマジックポイント、スキルは、1、たったの1で何ができるだろう、精々回復魔法、キュア、でみんなのhpを2~3回復するのがやっとだろう、何しろいままで私は、戦闘凶“バーサーカー”クラスで、ただ筋肉を思うがままに働かせ、まるでそれ自身が自分であるかのように狂気のもとに、一心不乱に敵との闘いと、味方との切磋琢磨を続けてきたのだ、しかしそんな私がめげたのには理由がある。
“女の子らしくないね”
パーティのリーダーの言葉だ、パーティのリーダーは、ユミゲルという、優男風のイケメンであり詩人であり皆の、もとい、この国オルガの女性という女性すべてのあこがれのまとだ、それはいいすぎだが冒険者の中では、かなりの人気ものだ、そしてそれには魔法、風使いとしての彼の功績も後押ししている。

先輩のミルルは水使い、かわいらしい、青い瞳の金髪のグラマラス美少女で、ミヌ街の水の精霊を祭る、神殿で巫女をしていたらしい。
ジャック、これが厄介な先輩で口が悪いがあらゆるクラスにバランスよく接している、だからこそ今回忠告をしたのだ。
“お前、むいてないよ”
むいてないよ。

 私は先輩の言葉も聞かず、何度も挑戦した、先日の件、いわゆる1か月ほど前のパーティに迷惑をかけた事はいまでも後悔しているし、危ない目には合わせられないので、しばらく、ひとつ山を越えた先の、ネームの森にたくさんモンスターが出て、山賊のようなふるまいをしているというので、
一人森の中で、オルゴールウルフの群れをかっていた、彼等の魔法はひ弱だ。彼等の攻撃は赤ん坊を眠らせることしかできない、ごくまれに魔法にかかる事はあっても、魔法防御力30の私に、たいした威力もないその魔法は聞くわけもない。
うっそうと茂る森の中、獣道やひらけた空間の合間を縫って、ウルフ探しを続ける。

「くらえ、くらえ!!」

 魔法はやはりキュアしか発動しない、2週間程度の修行で、マジックポイントは2にまで増えたが、しかしやはりキュア程度しか使えない、“戦闘凶”バーサーカー、クラスの修行があだとなり、脳みそは筋肉と同化するほどに、硬直し、柔軟さを失っていた、こんなことではお嫁にいけない……。
そんな、思い詰めることが多かった日々だったが、ある晩のことである。疲れ果てて、かといってパーティで仕事をするときには、バーサーカーのスタイルをやめる事もできず、パーティにい続けることさえ苦痛におもっていたある日。
「どうしたの」
リーダーは、夕食どき、私が焚火を囲うみんなと離れたところで、焼けた肉をほおばってるときに肩をたたいてくれた、
私はそれだけで泣き崩れすべてを話した。もうバーサーカースタイルで戦うのが嫌なのかもしれないこと、女性としての魅力のこと、
すると……、
「無理はしないでいいけど、“バーサーカー”としての君にも皆期待しているし、危なくなったら棒で殴るくらいなら、きっとそのスタイルがあっているのだとは思う、でも色々ためしてみないか?バーサーカーと合わせ技で、都合のいい魔法が使えるようになるかもしれない」
こういってくれた、すべて理解してくれていたのだ。
そのまましばらく、私は顔をおおい涙ぐんでいたが、私がその様子のままでいるとリーダーさんは、肩を2、3度たたき、その場をあとにした。

その言葉を期に、私はかわった。
ユミゲルさんは、私が魔法に失敗するとフォローをいれてくれたし、
先輩もジャックも私の魔法の面倒を見てくれるようになり、マジックポイントはみるみる成長し、“マジックアサシン”のクラスへと転職した、いざというときは棒でなぐる、というユミゲルさんの言葉どおり、やはり戦闘スタイルのポイントの方が高い、いままでかかわらなかったミルルさんとの交流もふえた、水魔法は女子力を高くするし、風水のことも学べるという、冒険者としての生活に、自分の女性としての未来に不安を抱えていた私がったが、この一か月の奮闘のおかげで、ようやく、女性らしさと強さの両方を目指すきっかけを得たといってもいいだろう。

冒険者ミーナの手記より。

ps.どうやら皮肉屋の先輩ジャックは、私のことを気に入って妹のように思っていたらしい、これほどヒントを与えれくれるのも珍しいということなので、先輩として大事にしたいと思う、喧嘩はすると思うが、感謝しようと思う。

冒険者の手記

冒険者の手記

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-24

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