輪廻
永遠に熟さない果実
定型から脱するため
生まれ、再び母胎へ還る
回帰、繰り返す中、
手渡された、骨と糸
高貴の証明、身分を纏った
ぼくは、あたらしい
限界の中で見た夢
擦り切れ続ける肌
涙を見た、赤い唇、
ひやりとした感触
ひゃっかいを、こえた
君、
百という数字、
簡単に導き出せるものじゃないよ
いやだ、おまえ、せんせいみたい
孔は暗闇、冷たい安心に吸い込まれる
天才を欲しいまま、論争の上を走る
眠りに落ちて、死んだら落ちる所、
周回、散歩、徘徊、綱渡りに興じる
ももとせ、ちとせ、ぼくは、てんさい
曼珠沙華が一面を覆って
暮石が見えなくなる頃、
煙が上がる、夢の終わり、下校時刻
定時退社、通学路、通勤路、
左足からか、右足からか、運命ごっこ
あのこのゆめをみて、ぼくはそだつよ
かえるひまで、まゆのなかで、
また、ゆめをみる、ちがうこのゆめをみる
輪廻