危険要因

マチミサキ

今日は休日

ですが
幾つかやるべき事がありまして
朝からお出掛け

先ずは散髪

【床屋ジプシー】の異名を持つほど
あちこちに行き
一店に馴染まない私

今回は
友人の末の妹が開店したという

二駅ほど先にある
美容院へ予約

なかなか綺麗な今風のお店でした。


それから
次に予約していた歯医者へ

痛い所などは一切無いのですが
歯石を取ってもらいたくて

定刻より余裕を持ち
受付を済ませ
待合室で文庫本を読んでいると

『マチちゃーん!どうぞー♪』

の何とも
フレンドリーな呼び出し

初めての歯科医院ですが
失敗したかもしれない…

そんな疑念に駈られながら
さらに
ドアをあけ治療室へ向かうと

入った瞬間
鳴り響く独特のポップなメロディー

顔を要救助者に食べさせる
ヒーローのテーマソング

『マチちゃー・・ん…?
あ、失礼しました!大人の方でしたか!』

それから知ったのですが
どうやら
こちらの歯科医は
小児歯科で有名な医院らしく

わざわざ
遠くから足を運ぶ
小さな子を持つ御家族も居られるそう

そういえば
待合室からして
少し変だとは思ったのですよ

椅子の後ろにぐるりと設置された
ファンシーな世界のジオラマ

こちらを
所狭しと走り回る鉄道模型…

床さえ
一部はガラス張りになっており

そちらもレールコースに組み込まれ
鉄道が走り抜けていく
凝ったつくり…

歯科医経営者も
なかなか
顧客獲得には苦労しているようですね


とりあえず
診ていただくと

『歯のお掃除の必要は…無い…うーん、
でも下側と奥歯だけやっておきますか!
せっかくですしね!』

との御言葉でしたので
そちらだけ
お願いしてきました。

なんとも
ソフトタッチな歯石取り作業で
本当に
取れているのか不安になるほど。

施術後のうがいでも
一切
赤いものが滲みませんでした。

以前
ずっと通っていた歯科医の先生は
患者に一切の手加減をしない先生でしたので

なんとも
その落差が凄く感じます。


誤解の無いように加えますが
この以前の先生という人は
その世界ではかなり高名な方で

今はもう
よほどの事が無い限り
新規での患者は診てくれません。

と、いうより

今の患者が全員
治療を終えた所で
私も引退するつもりなのだ!

とよく
仰有っていました。

その言葉が真実だと匂わせる様に

治療ベッドのほつれ目などには
ガムテープが貼られていましたからね。

外見や診療所にも
飾り気が一切ない。

看板さえありません。

しかし
腕は流石のもので
特筆すべきは

その早さ!

呼び出しを受け

あっという間に治療が終わります。

これは
その先生が
知的障害者をメインに
治療していた為
編み出した技だと推測します。

偏見はありませんが

そういう
ジッとしていられない患者さんの口中に
刃物や手を入れるのですから

そのリスクは
想像以上のものでしょうね。

そのかわり、と言ってはなんですが

とにかく荒い!

治療中の顔や胸にしぶきが
バンバン飛んできますし

他の医院であるような
カバーも一切
してくれません。

治療後には
うがいと共に洗顔を余儀なくされる程です。

他ではよくある
説明や治療方針などの
会話も全くした覚えがありません。

しかし
詰め物が取れただの
差し歯が外れただの

こちらでは
そういう話をまったく聞かないので

やはり
腕前はスーパードクタークラスなのかも。

私の場合
こちらで口腔外科手術をして頂いた事が
最初の切っ掛けだったのです。

親不知を抜いたあと
急ぎの仕事が立て込んでしまい

後日いくべき日に歯科医にいけず
放置してしまったところ

片目が開けられぬ程
顔が腫れ上がってしまい

知人により
この先生を急ぎ
紹介され
診てもらったのが
この医院とのなれそめ。

熱にうかされ
運び込まれたのですが

先生は
歯科医にありがちな

『どうしてこんなになるまで!』

的なお説教は一切せず
ただ淡々と手術してくれました。

腫れはみるみるうちに引き

手術の説明を受けたのは
術後のことでしたからね。

『ちょっと多目に開いたけど
麻酔とかはしてないから!
どうせここまで行くと痛みとかないし!』


そんな感じでした。

人によっては
嫌なスタイルなのでしょうけど

私的には
とても信頼できる先生。

どうせ
小綺麗な最新モニターを見ながら
説明されても
私は素人なのでよくわかりません

それならば
先生の一存で好き放題
もっとも良いと思われる方針で
サッサと進めてほしい。

これは
話が前後しますが

美容院でも
私がよくいうことば。

細かい事はいいから
プロがもっとも
私に似合うとおもう髪型にしてほしい。

そして
結果ダメだと思っても
それは自己責任

二度と行かなければ良いだけの話

だから
ジプシースタイルなのです。

余談ですが
たまたま海外C国で散髪した際に
この理髪店で聞かれたのが

『長くするか?短くするか?』

その二択のみでした。

そういうお国柄もあるのです。


なので
今日もいつも通り

━━おまかせします。

としか言いませんでした。



そして今度はスーパー銭湯へ

おりからの猛暑日に加え
平日ということもありガラガラ

なんともゆっくりと
満喫してきました

サウナも良いですが
薬湯も良かった!
なんと贅沢に朝鮮人参湯です

これ
実際に凄く滲みます!

普段は気にしていなくても
人間
あちこちに
小さな傷が出来ている

それが良く解る

身体のあちこちが
ジンジンと痛む

これは明らかに
切り傷の痛み

人が少ないせいで
その成分が薄まっていないのか
尚更
効く気がします

しかし
湯上がりには
なんともお肌がツルツル

うーん

やはり
全身を伸ばして入れるお風呂は
良いものです

露天風呂もあり

こちらで
くつろいでいると

アマガエルが側の植え込みから
私をじっと見ていました

なんていやらしい

そして
お風呂あがりに
フルーツ牛乳をのみ

帰り道に
美味しそうなカレー屋さんがあったので
ふらりと立ち寄り

夏野菜カレー なるものを注文

オクラ、カボチャ、ナス、ピーマンなどが
煮込まれず
カレーの上に姿焼き風に並べられていました

こういうの流行りなのか
たまに見掛けますね

見栄えはよいですが
私的にいまいち
満足感に欠けます

不味くはないけど
けして美味しくもなかった!

そもそも
カレー自体に厚みがないといいますか…

そして帰宅

しかし
少しゆっくりしたら
これから
知人のお通夜に行かなければ。

18:00からですって。

それでも
交通の便が良いのは助かります。

食べ物屋さんも
多いし。


それが今回の引っ越しで得た
一番のメリットかも。

はい、
お通夜から帰ってきました。

うーん
やはり
駅からすぐのバス停

これが近い近い

何をするにも
何処に行くにも
便利な新居

だと

思うでしょ?

しかしですね…

うん、
そう

あの話をしましょう

少し前に
動物カメラマンの方から
聞いた話なのですが

カナダのある地域に生息する
地栗鼠(ジリス)という小動物が居るそう

このリスは少し変わっていて
他のリスの様に
樹上で生活はしない、との事。

その生息圏を
地上においているという事なのですが

この【地リス】の大好物が
タンポポなのですって。

その地リスが
ある時に
カナダの広大なタンポポ群

それこそ
【視界いちめん真っ黄色のタンポポワールド】

を見つけ

その中に巣穴を設けたそう

地リスにとっては
超一等地

家から出れば
徒歩0秒で食べきれぬ高級食材が
タダで食べ放題

私達、人間でいえば
働く必要もなく
家から出れば貴方の好物が
見渡す限り続いているようなものです。

しかも一切無料で。

まさに楽園。

・・・・

だがしかし!

ここに落とし穴が。

この一面の広大なタンポポ黄色の中で
地リスのその体毛である茶色は
とてつもなく目立つのですって。

人間の目でさえ
すぐ発見出来るのですから

これが
天敵である猛禽類の目には
どう映るのかは
容易に想像できます。

人間の視覚など比較にならぬ
その鋭い目は
食べ放題にうつつを抜かす
獲物を即座に発見、補食するでしょう

まして

野生動物が一番
その身を危険に晒しているのは
他の生物を補食した瞬間だと
一説には
言われております

この地リスは
一等地に住みながら

天敵にとっても一等地、
…に住む事になっているのです。

地上の楽園どころか
まさに天国に一番近い土地。


・・・・


私達人間も
便利、便利、で
良い場所の良い所にばかり目がいくあまりに

なにかしらの
重大なリスクを見落としている

そんな気がして
ならないのです…。

危険要因

さらにいうなら

それこそが
タンポポの作戦なのかも。

地リスを補食した
猛禽の食べ残しや糞を養分に

さらにタンポポは拡がっていくのかも
しれません…。

そして
その楽園には
またしても多くの地リスが…

それを狙う猛禽類が…


一番弱く見える存在が実は一番強かったして。

危険要因

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-19

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