不幸せなuma

yumieisuke

私に幸せはやってこない、

そういって写真のネガファイルをもち、教室の隅でつったったままの彼女は通常通り暗く、ネガティブな発言をした。
ネガフィルムとは、アナログカメラ(といえばいいか?)におけるカメラがとらえた、光の情報の記録媒体である。
カメラ好きにはいまも親しんでいる人がたくさんいるのかもしれないがその辺はよくわからない
何せこの話は、昔の話だから。

「私に幸せはやってこない」

そういって、彼女は3か月後に、病死した。
あまりいいたくない病名だ、苦しい、悲しい思い出、だけど彼女は、ユリは、
いつものネガティブさとはうらはらに、3か月間、友人たち、とくに
私、サキに対して明るく接してくれた。旅行にもいった。
彼氏君もいた、高校生の多感な時期で、彼氏君は慌てまくっていたし
悩んで悩みぬいて、最後まで彼女のそばにいた。

私は一枚のネガフィルムをすてられずにとっている、彼女が妖精を捉えたといっていた写真だ。
たしかに妖精に見えるが、普通にみるとそれは、ネガで見ても(ネガは色が反転して見える)ごく普通の大きな樹木、街路樹の、楕円形の葉が羽、
枝が顔や肢体に見えるというだけの、よくある、びっくりUMA(ユーマ)写真とかそんなようなものに見える、だから私はいったんだ。

「これは幸運ね、びっくりUMA大百科におくりましょう」

それは私の中学生のころから、高校生、ちょうどそのころまではやっていたテレビ番組で、よくある動画サイトの奇妙奇天烈な動画を
集めて垂れ流す系の番組である、だけど司会の芸人がそのときでいう、今流行のポッポポーズだったので、私たちにとっては
特別な番組だった。

「いやだよ」

とユリはいったが私はこっそり送ってしまったのだ、
が、それがいけなかった、テレビ番組で司会のポッポッポーズ、今は大嫌いなのだが
2人組みで、そいつの片方、がいったのだ。

「よくみると、羽が一個ないですね、むしりとられてますね、幸運をよぶといわれていますけどねえ」

時期を同じくして、友人に重大な病気がみつかったのだ。
ポッポッポーズの不倫疑惑は、その一年後、そしてテレビ業界からも姿をけした。
そんなことはどうでもいいのだが……。

私は一度だけ、ネガと同じ場所をたずねた、それは、よくある自然公園で、となりのt県との県境にあった。
街路樹だとおもっていたが、ちゃんとした公園に植えられていて、というよりも、自然の中に公園があとからできた、ということだろうか。
どんぐりがぽろぽろおちていて、路は舗装されていたが、石やレンガの道だった。
それよりは、一面の芝生や、小さなにごった池のほうがめだっていたかな?
悲しみに暮れながら、私は片方の羽をさがしていたので、あまり覚えてはいないが、人はまばらにいた……
私は一人、例の場所を探し、みつけ、さまよいあるいていた、
いつのまにか、左手の時計をみると、夢中になりすぎていたのかここにきてから、2時間も経過していた。
そのときだった。

「どうしたんですか?」

あらわれたのは、イケメン君だった、
しかし、なんだかどことなくいらいらする、ふときがついたのだ、
ポッポッポーズの、例の、不吉な発言をしたあいつににていると、
私はどうやら号泣しながら、例の木(シラカシ)の木をみつめて樹木の上のあたりをまさぐっていたらしく、
ベンチにおちついて座るようにうながされ、
その勢いですべてをしゃべってしまった。

その男性は勢いをつけてわらった、
ただそれだけの事だったが、その笑い方が、どこか友人の無邪気な、
あの、人見知りの友人が、親しいものにだけみせる、無邪気な笑い方ににていて、少しだけ幸せな気持ちになった。

おしまい。

不幸せなuma

不幸せなuma

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-19

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