ベターハーフがバターに聞こえて

ベターハーフがバターに聞こえて

短歌十首。

   



   



   



   



   



   



   



 

死に別れて

桜の木の下

行き暮れて このとき

おまえ 香るなら




ベターハーフがバターに聞こえ

きっと

朝焼けは 魂の片割れ




夜に願う 不死の魂

会えると思った

桜の木の下なら




「聴こえてますか 聴いてくれますか いまもまだしあわせなのです」

 祈る




おぼろの月を

探した

涙が癒えて 泣けないほどの寂しさです




残されて また

春に 着く

いちばん底の哀しみも幸せも 秘す




どこへ

会えないおまえを連れて

生きながら 生きながら なお 生きながら




日々をちぎって

日々をちぎって

どんどん駆けゆく どんどんつらくなる




折り刻む、

    あの日々を、

  あのプリズムを、

    生きた、ひとを、 

春が落ちてくる。




絶えず

信じてくれたひと

あれからの夕刻 

    寂しくて 

    やさしくて
   



   



   



   



   



   



   



 

ベターハーフがバターに聞こえて

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ベターハーフがバターに聞こえて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-17

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